第24話 進級
進級に伴い、将来の夢を考えるようになった。
お金を荒稼ぎしたので、小学校卒業と同時に芸能界を引退しようと思う。ピアニストに関しては両親が期待しているので続けるが、ピアニスト引退も視野にいれる必要があるかもしれない。
音楽を作るのは好きだが、流行りを追い求めるわけではない。好きな時に好きな曲を作曲・作詞して趣味として楽しみたいものだ。
第一希望は自衛隊、第二希望が医師、第三希望が弁護士かな。
お金は荒稼ぎしたから学費には困らないが、学費無料の特待生を狙いたいよね。
どの職業に就くにしても偏差値が高い。特に第一志望の自衛隊はエリート官僚になるべく頑張らねばならないのだ。イリスを使えば馬鹿な私でも天才になれるだろうけど、それだと身に付かないと思うのよね。彼?彼女?には私の勉強の補助をして貰おうと思ってる。
そうなってくると中学受験という問題が発生するのだが、どの学校に進学するのか決めなくてはならない。
星城学園中等部、青山女学院中等部のどちらか選ぶ必要がある。
星城学園は高等部と大学がエスカレーター式になっているし、偏差値が一番高い。
青山女学院中等部は星箕学園と同じ偏差値だが、イギリスと交換留学の制度があるのが魅力だ。
女子校は女の子をおっさん化させるし、陰湿な虐めも多いからなぁ…でも交換留学は魅力的なんだよねぇ。
取り敢えずは両親と相談が必要かな。
私はパンフレットを持って両親が揃うリビングに向かった。
小学校卒業と同時に芸能界を引退するぞ!という私の主張は容子さんの泣き落としの前で無残に散ってしまった。
私 主演で映画を撮る約束を昔してた事を今のいままでスッパリ頭の中から忘れてた私が悪いんだけどね。
新戒監督との約束を守って綺麗に引退しようと思ってるのだが、容子さんは納得してくれてないんだよね。
新戒監督と容子さんには高校卒業したら芸能界を引退すると伝えて書面契約を交わす事となった。
ずるずると芸能界に居座るつもりはない。子役が大人になって通じるのは極少数だもの。映画がこけても私の責任ではない!無いったらない!
こうして私の芸能界引退は高校卒業と同時という事で決着したのであった、まる。
「あぁ…燈由ちゃんなら芸能界で天下を取る事だって夢じゃないのに……」
おうおう、とオットセイのように嘆く容子さんに
「高校卒業までに天下取っちゃるから泣かないでよ。」
適当に慰めてたら
「言質は取ったわよ!!」
ガッツポーズして芸能界の天下統一よー!!と叫ぶ容子さん。
口は災いの元である。
「高校は自衛隊の学校に入るつもりだったんだけどなぁ。」
学費と囀る私に
「大学の学費まで出すから芸能界に骨を埋めない?」
と勧誘してくる容子さん。
「嫌よ、私は将来防衛大に行くんだから!」
国内最難関と言われる防衛大に行って、そのまま就職してお金を稼ぎたいのだ。
自衛隊と警察どっちにしようか迷ったけど、自衛隊の方が国を守ってるって感じがして自衛隊に決めたんだよねぇ。
「そう言えば中学は星城学園を受験するって本当?あそこ芸能科無かったわよね?」
容子さんの質問に
「無いよ、でも全国模試で上位10位以内であれば、出席日数を免除してくれるのよ。その分、課題も沢山だされるけどね。今の状態で仕事を受ける事は出来ないけど、今が仕事詰め込み過ぎだと思うの。ゆとりを持って仕事を入れれば問題ないんじゃないかな。」
両親連れて学校に入学希望なんです!!と自分のネームバリューを売り出したのは良い思い出である。
あちら側もビッグネームを持つ私が入学する事で得られる受験倍率が跳ね上がる事実に折衷案を出してくれた。
芸能人というよりも有名ピアニストの名声を求めているのだろう。音楽部在籍を約束させられてしまったけどね!!
「燈由ちゃんならシンガーソングライターで天下を取れるんじゃないかなぁ?」
ドラマ、映画、バラエティー番組、舞台にモデルと活躍しているけど…歌手ですか――…
「これ以上手を広げると器用貧乏になるよ。」
チクっと嫌味を言えば
「マルチタレントを目指してみても良いと思うの♡」
うふ♡とウインクされてしまった。
「あ、小学校卒業したらモデルの仕事は辞めても良い?」
勉強の時間を確保したいので容子さんに聞けば
「moo nonの雑誌のセンターに決まってるから駄目!」
何時の間にか契約を取ってた模様。
myun myunは身長制限を超えてしまったからモデルの仕事は無いと思ってたのに!!
162㌢と年齢の割には高身長になったのよねぇ。
「勉強の時間は十分取りたいから仕事詰め込み過ぎないように調整してね。あ、ピアニストの活動中心でお願い!星城学園側ではプロのピアニストとして在籍する事が条件だから!!」
ガツガツと仕事を獲って来る時代は終わったのだ!!と言うよりも将来の勉強と資格取得の為に勉強する時間を作っておきたい。あと、恋愛してみたいんだもん。
前世は失敗続きだったんだから資格取得して土台は固めておきたいよね!
「はいはい。舞台は時間取られるから難しいわね。バラエティー番組と短時間ドラマと映画の仕事は入れるわよ。今年は国際コンクールに出場するから時間調整厳しいわね――…」
何だかんだと私のギチギチに詰まった私のスケジュールを調整してくれる容子さん、好きです!!
来年以降も少しずつ仕事を減らしてくれるように動いて行こうと思うのであった。




