第2話 死んで逆行してスキル取得
★幼稚園編★
私の人生って失敗ばかりだった。中学受験に失敗し、高校受験に失敗し、大学受験に失敗し、第一希望の会社の面接に失敗し、やっと受かったのはブラック企業。
容姿はそこそこ良かったと思う。ブラック企業で美容に力を入れることは無かったし、肌はボロボロだったので年齢以上に年食って見えた。またこれといって取柄も無ければ、愛嬌も無かった。
人生で言えば負け犬確定だったと思う。そんな私は何故か幼少期に戻っていた。
特に死んだ覚えはないのだけれど、気付いたらぷにぷに紅葉の手をした子供になっていたのだ。
「夢か…」
コロンと寝ようとすれば
「燈由ちゃん、幼稚園に行く時間よ。」
若かりし日の母が布団を引っぺがした。
リアルな夢だなと思って、幼稚園の制服に着替えさせられてバスに突っ込まれた。
ぼーっと幼稚園で過ごし、家に帰って着替えていた時に気付いた。
「何これ?」
目の前にアイコンが表示されている。私はアイコンを指で押すとブーンと青色のウインドウが表示された。ウインドウには受け取り箱とステータスとデイリーの三種類があった。
まずは受け取り箱を押すと神様からの手紙があった。
夢にしてはよく出来ているシステムだ。神様からの手紙をタップすると手元に手紙が落ちてきた。
「えーっと、手違いで死なせてしまった詫びとしてスキルを授ける。良い人生を……って私、死んでたのか…」
マジか、私ってば死んでたのか…やっぱり夢か?どっちにしろ生きててもブラック企業に人生食われてしまっているからなぁ。死んで逆行して、神様から貰ったスキルで堅実な公務員を目指したい。
「ステータスオープン」
ステータスを確認しようと唱えてみたけど、ステータス画面が表示されない。念じてみたけど駄目だった。視界の端に見えたアイコンをタップすればブーンとステータス画面が表示された。
---------STATUS---------
名前:秋月燈由
種族:人間
レベル:1
年齢:3歳
体力:8
魔力:21
筋力:3
防御:1
知能:200
速度:4
運 :31
■職業:幼稚園児
■装備:綿のパジャマ
■スキル:完全記憶∞・空間魔法∞・成長促進∞・経験値倍化∞・スキル生成∞
■ギフト:なし
■称 号:なし
■加護:なし
■ボーナスポイント:10000pt
表示されたスキルに完全記憶があったので、受験勉強は楽に出来そうだ。成長促進と経験値倍化も美味しいスキルだと思う。でも空間魔法ってこの世界で必要だろうか?まあ、重い荷物は持ちたくないが、どうやってレベル上げをするのだろう?
スキル生成というのに興味が沸いたのでスキルを生成してみようと思う。私が出来るスキル生成の一覧に魅了、高速演算、並列思考、聖魔法、属性魔法などがあった。男っ気が無かったから今生は彼氏が欲しい。スキル生成で魅了を取得したが、スキルの熟練度が0だった。
「スキル生成しても意味ないじゃん!」
ちくしょーと思ったが、ゲームだったらボーナスポイントを消費すれば熟練度が上がったはず!
私は魅了をタップすると熟練度が表示された。熟練度は0/100と表示されたのでPTがを振ると熟練度が1になった。
鏡を見るが特に綺麗になったわけではないようだ。本当に残念だ。
気を取り直してレベルアップの仕方である。何かしら仕掛けがあるのではないかと思うが、先ずは魔力があるのだから魔力を消費してみようと思う。
魔法は習得していないので空間魔法に物を入れてみる。
「熊さん人形でも入れてみるか…」
私よりも大きな熊さん人形を空間魔法の中に入れると魔力消費5となった。
大きさで魔力消費が変わるのかと思って、今度はクレヨンを入れてみるも同じく魔力消費は5だった。
一つにつき魔力は5消費されるとなれば、バックに入れた物はどうなるのか試してみようと思う。
トートバックに絵本、ハーモニカ、帽子、ハンカチを入れてトートバックを空間魔法に入れる。
やはり魔力消費は5だったので、まとめて入れた方が魔力の消費も少ないことが実証された。
空間魔法
L熊さん人形
Lクレヨン
Lトートバック
L絵本
Lハーモニカ
L帽子
Lハンカチ
となっていた。
次はデイリーを押してみる。
1、母親の手伝いをしよう
2、父親を労おう
3、勉強をしよう
4、お礼を言おう
5、友達と仲良くしよう
の5つの項目があった。
どれも未達成だったので、母の手伝いから始めた。
「お母さん、手伝いしたい。」
私の急な申し出に母は
「あら?ママって呼ばなくなったのね。お母さんっておませさんねぇ。お手伝いしてくれるの?なら洗濯物を畳んでくれるかな?」
ママ呼びじゃなくなった事を指摘したのでギクっとしたが、天然な母は直ぐに手伝いをお願いしてきた。
洗濯物の山を一つひとつ丁寧に畳んでいく。私の、母の、父のと分けて畳む。父に関してはシャツをアイロンしなければいけないので、シャツだけは除外している。
「お母さん、全部畳めたよー」
掃除が終わった母に声を掛けると
「あらあらちゃんと畳んでくれたのね。燈由ちゃんは天才なのかもしれないわ!ありがとう、燈由ちゃん。」
大げさに私を褒め称えた。
精神年齢ババアな私には羞恥プレイにしか他ならない。
「お母さん、勉強したいな。」
コテンと首を傾けておねだりすれば
「燈由ちゃんがお勉強!?いつもは嫌って言ってたのにどうしたの?」
ビックリした表情の母に子供の頃はそうだった!勉強嫌いだったと思い出した。頭の出来は中の下とあまり宜しくないのだ。今は完全記憶があるから勉強も何とかなると思いたい。
「えっとね、将来は公務員さんになりたいなって思って!でも勉強が出来ないとなれないって聞いたから勉強しようって思って!」
苦しい言い訳だが母は
「偉いわね、燈由ちゃん。じゃあ、ママと勉強しましょうね。」
信じた。そして手付かずだったドリルを持ってきて勉強する事になった。
母にはいつもありがとうとお礼をし、勉強が終わればお隣の淳君と一緒に遊んだ。父が帰宅すれば、父の肩叩きをして父を労い何とかデイリーをクリアした。
クリアしたら受け取り箱が点滅していたのでタップしてみる。
チュートリアルクリア報酬
L経験値ポーション(大/10000)
Lミニステータス
L体力回復ポーション(中/500)
デイリークリア報酬
L経験値ポーション(中/5000)
L魔力回復ポーション(小/100)
L体力回復ポーション(中/500)
L神様ガチャチケット1枚
取り合えず報酬一括受け取りをタップするとカシャンと小瓶と紙切れが落ちてきた。紙切れは神様ガチャを記載されている。小瓶はどれが何か分からなかったので鑑定のスキルを生成して、熟練度を5まで上げた。
鑑定すると青が経験値ポーション(大)、水色が経験値ポーション(中)、ピンクが体力回復ポーション(中)、黄色が魔力回復ポーション(小)だった。ステータスの中にミニステータスの欄が出来たので、タップしてみると
ミスステータス
L魅力41・芸術10・運動・21・学力102・社交性9
とあった。ミニステータスを鑑定すると自分が経験した事をステータス化するとあり、その都度ステータスは上下するとのこと。またステータスも増えるみたいだ。
神様ガチャは色々なアイテムやスキル取得出来るみたいなので、ガチャ券が増えたらガチャをしたいと思う。
こうして出鱈目な二度目の生活が始まったのであった。




