実行そして失敗
中学に入り家族関係は
悪化するばかりだった
両親、妹とはほぼ口を聞かなくなった
特に父は私を毛嫌いし
汚いものを見るような目で
食卓も自室でとっていた
学校へは行きたくないと言ったが
無理やり近くの公立の学校に行かされた
ほぼ小学校のメンバーと一緒だった
その頃の私は誰からも必要ない存在
愛されていないという疑惑を持ち続け
本当に死にたいと希死念慮が強くなり
「自殺完全マニュアル」や「自殺全書」
学校をちょくちょくサボりながら
そんな本をお年玉を使いヤフオクで買って
死ぬ時はこうしたらいいなどに夢中で読み漁った
結論、首吊りがいいと書いてあったので
自傷行為から自らタオルで首絞めをし
気を失うなどのリハーサルを繰り返した
体験しないと分からないが
癖になるほどこれが気持ちがいい
そして実行の日が来た
遺書もきちんと用意した
誰もいない時間を選んだ
自室が2段ベッドだったので上のベッドに
タオルを掛けそれを首に巻き吊ってみせた
これで私はいなくなれる……
何も気にしなくてもよくなる……
と思っていたのもつかの間
頬を叩かれている感触……
天国かと思ったら父の顔があり
見たこともないような
顔をして泣いていた
たまたま父が早く帰ってきて
現場を発見されてしまったのだ
父はよかったと泣きながら
私を抱きしめた
そう自殺を失敗したのだ
そのあとのことはよく覚えていない
後で来た母も泣いていた気がする
「私愛されてないから死のうと思った」
と正直に言うとそんなわけないと
死なれた方が悲しいしつらいと言われた
少し半信半疑ではあったが
自殺することを私は辞めた