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第十話 倉庫

 俺が気絶している間に二人はどうやら倉庫を見つけたようで、道すがら先程あった話を共有する。


「え、ホワイトアウト?そんなんあるの?」

「二人も知らなかったのか」

「SP消費を計算しながら戦うのは基本だからな、ガンマンが残りの銃弾を把握するのと一緒だ」


 神丸は表情ひとつ変えずに肩をすくめる。


「ぐぬぬ…、20年前よりSP消費が大きかったのに気づかなかったんだよ」

「スキルごとにSPいくら使うかとかよう覚えてるな。俺は運良くSP切れしてないだけやで?そんな器用に管理するのはゴッドと、全盛期のベルくらい違うの」

「全盛期!?」

「そんな事より【赤い森の塔】って有名ギルドやっけ?」

「俺は知らないが」

「俺も知らないよ」

「中性的な人やなんて興味そそるやん。地声か作ってるか見極めたいわぁ」


 そう言うと梅梅は目を細めニタニタと口を歪めている。外装が女だからましだが、なんだか悪寒が走るな。


「ウメみたいに声作ってたら嫌だなあ…」

「なんでやねん、ゲームに性別も年齢も関係ないやろ」

「そうかなぁ…」

「年齢と言えば俺はFPSが最近厳しくなってきたな」

「としやな。おっとここやここ、ついたで」


 そう言って梅梅は建物に入っていく。あとについて行き一通り説明を受け、倉庫利用代を確認する。


「預けるのにも引き出すのにも金がいるのか」

「アイテム俺がまとめて管理しよか?」

「いや、それはリスクが高い、誰が死んでも良いようにそれぞれ管理すべきだろ」

「あーそうやったな、忘れてたわ」


 何気無い会話の中にデスゲームの事実が自然と組み込まれていた…。


「今更だけどさ、二人とも残された家族の心配とかしてないの?」

「本当に今更だな、心配して解決できるならするが?」

「そうそう、しかも疲れるだけやん?省エネを心掛けてる俺は立ち止まるわけにはいかない!みたいな?しらんけど」

「二人とも前向きだなぁ」

「単に遊びたいだけかもしれんがな」

「そうそう、建前は大事やから、笑笑」


 デスゲームを全力で楽しんでいる層というのがいたら二人のような感じなのかもしれないな。


「さて、倉庫も決まった事だし次はどうするか。時刻は12時過ぎといったところだが」

「そう言えば腹が減ったような」

「それより二人とも昨日寝て無くない?睡魔に襲われて気絶みたいなことあったりしない?」

「その可能性もあるか、ならば試してみないと」

「良し、モンスター狩りか」

「確認はせめて街中でお願いするよ…」


 仕方ない、という神丸の提案で俺達は宿の他に拠点となりそうな所を探すことにした。


――――

――

――

――――


「ここでえんやない?」

「ああ、そうだな」

「いやいや!?なんでだよ?!外だよ!?」

「軒先があり壁がある」

 

 そこは酒場の裏の路地だった。


「雨除けにもならない軒先と風よけにもならない壁に何の意味が…」


 人が4人ほどたむろできるような、ちょっとした空間に梅梅はスッと横たわり、ほんなら寝るわ、酒場かここで落ち合う感じで、ノノノ。


 神丸は神丸で、AFKと言って横たわった。


 いやいや、二人ともすでに限界きてましたやん…どうする、俺。

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