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1.何が起きた?


「おはようございます。旦那様。」

 物腰の柔らかいおじいさんのような声と、それに続きシャーっと控えめにカーテンを引く音。

「今日は天気が良うございますよ。」

 声の主は変わらず穏やかにけれども何やら周辺を動いているようだ。。

 そんな”音”でゆっくりと眠りから起こされていくように俺は目覚めていく。


 身体が重苦しく、動かすのも怠く、そしてようやく瞼を動かすことができた。

 うっすらと開けていく視界に入ったのは、見たこともない天井。

 これは。。。”天蓋”というやつであろうか。。確かヨーロッパ旅行をしたときに、どこかの古い城の見学で見た気がする。。気怠い起き抜けの頭に思考力などなく、目に入ったものをぼんやりと眺めていた。


 ・・・・????


 ようやく違和感に気づいた。。。

 

 ・・・どこだ?ここ。。。

 そう思いつつも、不安は湧かず、むしろ居心地はいい。


 動かぬ身体ゆえに目線だけを彷徨わせていると。。


「・・・旦那様?・・・旦那様っ!!」

 穏やかに部屋を整えていたらしい先ほどの声の主が、驚いたような声をあげて走り寄ってきた。

 その風体に思わず目を瞠る。。というのも外国人の”THE執事”なのだ。丁寧に撫でつけた白髪にモノクルを付け、皺ひとつない執事服に身を包んでいる。年配のようだが姿勢は素晴らしく良い。



「セバス。起きるから手を貸してくれ。」

 自分の意思とは関係なく、口からそう言葉が出ていた。


 ・・・俺の。。。声。。。か?


 やはり違和感だ。話し方も声も明らかに別人なのだ。しかも無意識に口から滑り出た。

 

 セバスと呼ばれた執事らしき男は傍までやってくると

「お言葉ですが旦那様。ひと月ぶりにお目覚めになったのでございます。起き上がるのはベルベルク医師の診断をお受けになってからにいたしましょう。」

 執事はそう言って恭しく礼をすると、何やら後方へと指示を出し、もう一度こちらを振り返ったが。。

 俺は気力が持たずに、重い瞼を再び閉じるところだった。



 そして再び意識が浮上した。


「もう大丈夫でございましょう。一時はどうなることかと思いましたが、公爵様がお若くてよろしゅうございましたね。まずは3日間お部屋で安静にお過ごしいただくようにお願いいたします。3日毎に診察させていただき徐々に全快なさるように努めましょう。公爵様の御性格からしますと難しいかと思われますが、今回ばかりは焦りは禁物であるとお伝えください。」

 声だけでも知性と品位を感じさせるその男性が話を終えると、「かしこまりました。」と静かにセバスが答えた。


 ”公爵”その単語に誰の事だと一瞬思ったのだが、それが自分の事であると何故だが理解する自分がおり、さらに混乱が広がる。そして執事らしき男の名が”セバスチャン”であることも無意識に理解していた。


 一体何が起こっているというのだ。


 まどろみから瞼を開けるまでには、やはり鉛のように重い身体では時間がかかるようで、医師らしき男が帰ってから、光を感じるまでに数分を要した。



「・・・セバス。水をくれないか。」

 ようやく瞳を開け、痛くなるほどの喉の渇きを潤そうと声を出す。


 無意識に話す俺の口調が。。。なんだか偉そうなのが気にはなるが。。まぁいい。考えるという行為ですら今は億劫なのだ。


 すると無駄にキラキラと光を跳ね返す美しいカッティングの施された高級であろうグラスを持ってきたのは、言葉を失うほど美しい女性。物語でしか見たことのない”ドレス”を着ており、俺を見るその瞳はまるで宝石のように輝くグリーン。艶めく金色の髪にはひと房栗色の束が入っている。透き通るような白い肌で俺に向けられる表情は、怯えるようで不安そうで儚げで。。それがまた守ってやりたくなる男心を的確に刺激してくる。目が彼女の全てを離したくないと追いかけてしまう。


 まぁ一言で表現するならば。。。一目惚れ。だな。。


「お待たせいたしました。旦那様。。」

 何故か女性の後ろに控えるセバスチャンから声がかかり、メイド服を着た侍女が俺の頭をそっと持ち上げ、その下にクッションを入れ、少し身体に傾斜をつけると、セバスチャンが彼女に目配せをした。


「さぁ、お召し上がりくださいませ。」

 と、やはりセバスチャンが言い、女性が俺の口元へとグラスを運んだ。

 違和感がありつつも、今は喉を潤したい。


 ゴクリ。。。ゴクリ。。。とゆっくりと水を流し込めば、まるで砂漠に染みるかのように求めてやまなかった水分が身体に染みわたっていく。

 そうしてグラスの水を飲み干すと、


「ありがとう。マーガレット。」

 と滑り出る言葉。。。あぁ。この美人さんは”マーガレット”というのだな。と自分で言っておきながら、自分で学習するという謎現象ではあるが、とりあえず身体も脳もいう事を聞いてくれないので、そういうものだと受け入れることにした。


 俺の言葉を聞いた目の前の女性は、一瞬驚いたように目を開いたが、次の瞬間には儚げに口角を上げた。


 無茶苦茶可愛いんですけど?


 とは思いつつ、俺の身体は相当疲れ切っているのか、表情筋が全く動く気配がない。素っ気ないヤツだと思われてしまわないかと心配になってしまう。



「それでは旦那様。医師様からのお見立てをご説明いたしましょう。」

 とセバスチャンが言うと、マーガレットをはじめ、そのほかの使用人らしき者たちはその場を後にした。


 もう少しあの美しいマーガレットの顔を見たかったなぁ。とか

 きっと声も美しいだろうに。。なぜにセバスが代弁してしまうかなぁ。とか。。

 セバスチャンの話は夢現に聞いていた話と同じだった為に、俺はマーガレットの事を悠長に考えていた。

 


 そして明かされる事実。。


 そう。俺は”公爵”らしいのだ。。一体どの国の”公爵”なのであろうか。。

 執事はじめ使用人たちの顔は明らかに日本人ではないし名前からしてもそうだ。服装や調度品は中世ヨーロッパを思わせる。が、言葉は理解できている。文字を見ればどの国か見当がつくかもしれないが、ベッドの上から見える範囲に特に文字が入った物が無い。


 これは。。。本当に一体全体どうしたのだろうか。。。

 俺の身に何が起きたのか。。。



 俺は日本の片田舎の総合病院で医者をやっていたはずだ。。

 医者である俺がリアルな夢を見ているのか。それとも公爵であるのに、何やら記憶障害を起こして現実逃避的な勘違いをしているのか。。

 そこを確認せねば。。


「セバス。悪いが厚紙と手縫い糸を持ってきてくれ。」

「はい?・・・かしこまりました。」

 執事のセバスチャンは不思議そうにしながらも、ほどなくして言われた物を持ってきた。


 セバスの助けを借り、重い身体を無理に引き上げクッションにもたれかかると、

 俺は厚紙を長方形に折り縦に2本糸をわたし、その中央付近に新たに横糸を括る。

 そして。。。糸を器用に絡ませて通称”外科結び”と呼ばれる特有の結び目を作る。

 

 うん。記憶に間違いはないだろう。俺は間違いなく”医師”だ。

 覚えている。。もちろん知識とて、全身の骨・筋肉・血管に至るまで諳んじられる。

 まだ大丈夫だ。ボケたわけでもなく、夢である可能性が高いか。。

 そんなことを思いつつも、手は滑らかに結び目を作り上げ続けていく。


 それにしてもリアルすぎる。。ここまで五感を再現できる夢を俺は今までの人生の中で体験したことがない。。


 まさか。。だが、これは。。。

 ある一つの可能性が脳に浮上する。。

 今風に言う”転生”というやつなのだろうか。。

 もしくは”入れ替わり”。。


 だが、”死”や”眠り”などのきっかけになるような事態に陥った記憶すらない。

 俺はオペ中だったよな。。。


「セバス。やはりまだ身体がいう事を聞かぬようだ。もうしばらく休む。」

 そう呟くと彼は俺の身体を丁寧に寝かせて静かに下がった。



 一人になって、もう一度、自分の記憶を辿ってみる。


-----俺の名は”田之上信二。


 33歳、独身で、片田舎の総合病院で医師をしていた。


 まぁ。将来有望な若手外科医がクッソ田舎にいるのには訳があるのだが。。。まぁ、俺が何者なのかと記憶を辿るならば、人生ももう少し遡るべきだろう。。


 子供の時分は特にこれといった特徴のない子だ。会社員の父と専業主婦の母がいて、”信二”と言う名であったが一人っ子だった。

 平々凡々な家庭。

 それが一変するのは、俺が中学2年の秋だった。

 父方の一人暮らしのばあちゃんの家に顔を出していた時だった。


「・・・え?ほんで?母さんは大丈夫なんね?」

 掛かってきた電話は母方の実家から。向こうのばあちゃんが椅子から落ちて緊急入院したというものだった。

 父と母の実家はさほど遠くもなく、車で1時間も走れば着く。そして運ばれた病院はこちらから車を出せば30,40分で到着できる病院。

「ちょっと行って来るから、信二はおばあちゃんと一緒にいてね。」

 それが両親を見た最後となった。


 病院へ向かう途中、センターラインを越えてきた飲酒運転の車に正面衝突をされて、二人はあっけなく死んだのだ。


 あっけなく。。というのはその時の子供心の感想だ。出かけたかと思ったら、死んでしまったから。


 だが、後から分かった真実は、車の正面が大破し、挟まれた両親の救出には時間がかかり、出血のため苦しみながら死亡したということ。少し田舎のあぜ道で救急車の到着は都会よりもはるかに遅く、正面衝突で弾き飛ばされた車は何度か横転しながら2メートルほど下の畑に落ちた。第一発見者の人が見つけた時にはまだ意識ははっきりしていたそうだ。


 そうして遅い救急隊が駆け付けたころには意識が徐々に乏しくなり、レスキュー隊によりようやく救助されたときには意識は無かった。

 両親の遺体を見たとき。全身に惨い傷があり、車に挟まれた足は見るも無残につぶれていた。

 顔は比較的キレイだったが、そこには涙の痕があった。。額に傷があった母の頬はまるで血の涙を流したかのようで。。

「怪我が酷くてね。相当苦しかっただろうに、ご両親は最後まで君のことばかりを話して、残していく我が子の心配をしていたそうだよ。」

 見分に立ち会ってくれた警察官が両親の救出をしたレスキュー隊員からの話をしてくれた。



 あの事故が都会であったならば、救急隊は素早く到着していただろう。

 あの車があぜ道に落ちていなければレスキュー隊の救助ももう少しスムーズだっただろう。

 あの現場の近くにドクターカーを有する病院があったのならば、生存確率は上がっていただろう。


 せめて苦しませずに最期を看取ってあげたかった。。 


 あくまでも全て”かも”の話ではあるが、中学生の俺にとっては、将来は医師になろうと目指すきっかけにはなった。


 特に賢い両親でもなく、もちろん俺も勉強ができる認識も無かったので、受験勉強は死ぬほど辛かった。

 だが目標があるというのは有り難い。闇雲にがむしゃらにそこに意識をむけるだけでいいのだ。

 両親が死んだという悲しい現実から目を背けさせてくれた。

 学費の問題から、公立大学分しか予算は考えられない。ギリギリの成績で何とか合格を勝ち取り、両親の残してくれた生命保険金と僅かばかりのアルバイトで卒業できたのは奇跡に近いだろう。


 まぁ。そうして晴れて医者になったわけだが。。

 まぁ。目標というのは達成してしまうと、きっかけの出来事は遥か昔の出来事だったわけで。。

 両親の死という辛い過去は、本当に過去になっていた。


 それでも、研修医時代はまだまだ勉強中の修行中。事故に遭った両親を助けたかったというのもあり、”外科医”を目指していた(というより将来を目指し始めた中学生の俺はそれしか知らなかったかもしれない。)毎日1.2時間程度の仮眠で良く生きていたと思うほどで、元々頭の良くない俺は、他の研修医の3倍は努力したと胸を張れるほどだった。気付けば数多いる研修医の中で頭一つ抜きんでる手技を持っていた。


 そしてお年頃の青春を全くと言っていいほど味わってこなかった俺は。。。

 何かがぷつんと切れてしまった。。

 高校デビューでもなく、大学デビューでもなく、社会人デビューでもなく。。

 研修医が終わったころにようやくデビューを果たした。研修医という重圧から解放され、過去の両親の死をやっと受け止め、ホッとした。といった方が近いかもしれない。


 勤務先は県内でも指折りの総合病院にした。大学病院からの誘いの声もあったのだが、そこでは俺の求めるものがないからだ。。 

 顔面偏差値はそこそこだろうと根拠のない自負があり、そこに”将来有望外科医”という肩書があり、そして元来の人懐こい性格。。そうなればそこはもうハーレムですよ。それを楽しめるのは規律の厳しい大学病院ではなく、私立に決まっているのだ。


 身なりもビシッとキメ。。過ぎては近寄りがたいだろうし、なんといっても俺の顔は”カッコイイ”よりも少し童顔が残る顔立ち。爽やかさと親しみやすさを重視した。

 爽やかな笑顔に庶民出の俺の親しみやすさもつければ、老若男女、患者も職員もイチコロだった。


 そして。。。

 俺の読み通りに、”ちぎっては投げ”を体現するかのごとく遊ぶ。

 もちろん、”結婚しない””特定の女性は作らない”と公言していたので、相手には”遊び”であるときちんと伝えていた。だが、それでも構わないという女性はそれなりにいるもので、美味しいを思いを散々させていただいた。。。

 同僚の医師に、看護師に。技師関係。薬剤師もMRも生保レディーも。。とりあえず向こうから声がかかればラッキーで、好みの女性はダメもとでこちらから。。

 そんなことをしていても、”遊び好きの先生”くらいで”独身を謳歌したいよね。”と声をかけてくる女性陣も慣れたもので、修羅場などなかった。

 この業界。もっと手癖の悪い医師は、ゴロゴロしているのだ。


 とはいえ、研修医を終えてからの数年間はハードで、救命救急にも携わった。重度の火傷の患者の担当になると、2か月は休みが無くなる。まぁ実際のところ休日はあるのだが、毎日の処置があるために休日だろうと出勤せざるを得ないのだ。ヘリに搭乗する機会はなかったが、ドクターカーには何度か乗った。


 若手の勤務時間などあったものではなく、当直室に泊まることの方が多かった。その方が寝る時間が取れるから。という理由からだったのだが。。。そうなればコソッと隙間時間もあるわけで。疲労困憊で栄養剤を自分で点滴しつつ、密会もするというなんともダメな時間の使い方をしていたように思う。


 そんなことをしながら外科をメインで医者として研鑽しつつ、つまみ食いもしつつ。公私ともに充実過ぎる生活をしていたのだが。。。


 

 ツケというのは突然回ってくるもので。。。


「・・・・は?俺が。。。キヌタへ転勤だと?」

 医局に無造作に貼られた辞令を見た瞬間に愕然とした。


 通称”キヌタ”と呼ばれるその病院は、山奥の県境にある、昔で言う”療養所”の跡地に作られた病院なのだ。地域密着というやつで、その近辺に入院設備のある施設はそこしかなかったため、何かあればそこに入院。福祉施設、老人保健施設だとかデイサービスやなどもあるわけなく、とにかく”全部ここ”という感覚の提携病院だ。


「・・・なんで俺が。。」

 額に手を当て、深いため息を付いていたところに、ニヤニヤとした笑みを浮かべた同僚が、

「こないだお前が合コンでお持ち帰りした女。。どうやら理事長の娘だったらしいぞ。。ご愁傷様。」

 ポンと肩を叩いた彼の一言に、俺は言葉を失った。


 確かに遊んだ。。”一晩限りで”ときちんと言ったのだが、しつこく翌日以降も連絡をしてくるもんだから、着信拒否をした女だ。。まさか理事長の娘だったとは。。それならそうと言ってくれれば、無碍に突き放しもしなかったし。。まして、大病院の娘婿の座だ。遠慮なくもらいに行っていたのだが。。。


 逃した獲物は大きい上に、代償も大きかった。。。ただの左遷だ。。。

 辞めるという選択肢も無くはなかったのだが、1週間後の赴任までに次の就職先を見つけるというのは現実的ではなく、とりあえずの気持ちで行くことにした。



 がっくりと肩を落としてキヌタにやってきた俺ではあったのだが。。


「山田のじいちゃん。無理するとナッちゃんが心配するだろう?」

「サチエさん。臨月なんだから農作業は少しお休みして?」

「タケシ。こないだもジャガイモ貰ったって。母ちゃんにもうお礼はもってこなくていいって伝えてくれ。」

 田舎の医者は名ばかりの科分けで、何でも診るのが当たり前。産科も内科も外科もあったものではなく、俺の診察室前には一応”外科”のプレートは掛かってはいるものの、患者を待たせるくらいならという田舎病院特有の感覚と、”どの先生でもお医者様だよ”という患者の思いが一致し、誰でも彼でも診察室に送り込まれてくるのだ。

 まぁ。難しい案件はほとんどないので、いいっちゃいいのだが。

 どんな患者でも引き受ける救命救急を経験していた俺だけに、病院側も遠慮なく都合よく使ってくる側面は致し方ないだろう。


 元々庶民な俺にとっては、この気楽な生活はそれなりに楽しんでいた。

 ちょっと、性的欲求が満たされていないのが玉に瑕ではあるのだが。

 痛い目を見た直後。。そこは諦めのほうが勝っていた。


 そんなこんなで、外来やったり手術をしたり回診という名のサボリで気分転換をしつつ、看護師をつまみ食いしたり、時には草むしりをやらされたりというのんびりだけども退屈しない毎日を過ごして早2年が経過。


 そして記憶の最後の日がやってくる。


「じゃ、オペが終わったら早い昼飯にしようか?」

「ほんと?じゃ、当直室でね♪」

 チュッというリップ音を彼女の首に落とせば、嬉しそうに手を振ってナースキャップとたわわな胸を揺らしながら小走りに持ち場へと駆けていく看護師。

 昼日中からの逢瀬の約束に顔がにやけてしまう。色々とスッキリとすれば午後からの仕事にも身が入るというものだ。


 午前中はオペの予定だけだったのだが、外来担当の医師が遅刻をしそうだというので、彼が来るまで外来だな。そのあと簡単なオペをして。。。その後は。たわわな果実をつまみ食い。ムフフ。やはり顔がにやけるな。


 外来診察中も、オペ中もそんな邪念を持ちながら行っていた。


「じゃ、あとは縫合ね。。」

 チャチャっと終わらせたオペで放ったこの一言が、俺の記憶の最後だった。-----



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