表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/55

100年戦争編④

『す、すまない。私が出かけている時にこのような事になってしまって。』




『気にしないで下さい。リッチモンドさん。ここまで来れたのもあなたのおかげですから。それにもうすぐ




首都パリスです。ここで王様を倒す事が出来れば後ろからの攻撃を気にせず敵軍に集中する事が出来ます。




また民達も騙されていた事に気づくでしょう。』




『そうですね。パリスに急ぎましょう。』




・・・・・・・




『ようやくパリスに着いた。しかし兵士がいない。おかしい・・・・・』




『確かに。しかし町自体は普通の雰囲気に見えるが?』




『とにかくここで突っ立っていても何も進まない。王宮を目指すぞ!!』




『おう!!』




・・・・・・・・・・・




『どういう事だ、町に入ってから一人の兵士とも会わずに王宮の入り口まで来れた。』




『怪しすぎる。これは絶対に罠ですよ。』




『そうだな、ここは一度引いて状況を確かめるぞ。』




『分かりました。』




『ん、何か外が騒がしくないか?どうしたんだ?』




『た、大変です。急に町から外に出る門が閉められ、武器を持った兵士達が立っているとの事です。』




『ば、馬鹿な。兵士など一人もいなかったではないか?急に何処から?』




『くそ、やはり罠だ。私達はこの町に入った時点で既に罠に嵌っていたのだ!!』




『こうなれば、一つの門を破り一点突破で脱出するしかない。』




『待て、町の人達の様子がおかしい。皆俺達を睨んでいるぞ。』




『あいつらが裏切り者のジャミーン達だぞ。』




『敵側に寝返ったそうね~』




『まあ汚らわしい』




『おい、あいつらを倒せば懸賞金が出るそうだぞ。』




『ああ、やるか?』




『しかしあいつらは相当強いらしいぞ』




『・・・・・・・』




『いや、皆でかかればもしかしたら・・・・』




ジリッ・・・ジリッ・・・・・・・




『くそ、囲まれている上に距離が詰められている。こうなったら・・・・・』




『いや、この人達は騙されてるだけだ。それに一般人を手にかけるなど・・・』




『しかし、このままでは・・・・・』




『仕方がない、王宮に入るぞ。このままではいずれやられる。』




『そうだな・・・・・』




・・・・・・・




『もう間もなく大広場だ。まだ建物の外とはいえ兵士がいない。やはり中までおびき寄せるつもりか。』




『!!!誰だ建物の入り口に誰かいるぞ。』




『あれは大臣だぞ』




『これはこれは反逆者御一行殿ではないか。どうしてこんな所にいるのかな?兵士達よこいつらを皆殺しにし




なさい!!』




『おいおい兵士達がたくさん出てきたぞ。それに後ろには町の人達が。』




『くそ、やるしかないか』




『おやおや囲まれてしまいましたね~。それでは皆さんそいつらを殺しなさい!!!』




・・・・・・・




『ば、馬鹿な。これだけの兵士がいながら何故倒せないのだ。化け物共め』




『ふぅ・・ふぅ、これならなんとかなるかもしれない。さすがはジャミーン様とジャンだな。それにリッチモ




ンド殿もなかなか凄い。一般兵相手なら数がいくらいようがいけるぞ!!』




『よし、もう少しだ。このまま行くぞ!!』




『く、くそ。これでは・・・・・』




『大臣、何をしているのだ?』




『こ、これは国王陛下。』




『どうしてまだ反逆者共が生きているのだ?』




『申し訳ございません。予想以上にこ奴らが強くて、一般兵では相手になりません。』




『ふむ、ではお主の出番だな。騎士団長よ。』




『はは、仰せのままに。一般兵達はそこで見ていろ。邪魔になる。』




『一人強そうなのが出てきたぞ。どうするジャン?』




『よしまずは俺とジャミーン様で様子を見るぞ』




『ああ、その方が賢明だな』




『よし、相手は一人だ。囲んで叩くぞ!!いっつもジャミーン様達に助けられる訳にはいかないぞ!!』




『おう!!』




『ま、待てお前達・・・』




『ん、雑魚共が私に向かってくるか。無駄だ。』




ザン




『ぐはっ』




『ジャミーン様申し訳ございません。』




『お前達・・・・・許さないぞ。貴様!』




『ジャミーン様、突っ込むな。俺が様子を見る。リッチモンドさんは、残った兵達の指揮を頼みます』




『分かった。ジャン君。』




しかし、さっきの味方の四方からの突撃、連携は悪くなかった。それを一瞬で倒した。こいつ只者では無い。




『おお、本当に素手で戦うのだな。しかも体が赤く光っている。これが噂の・・・しかしこの私とて。』




な、なんて重い一撃なんだ。この体でも一瞬斬られたと錯覚した。これは気を引き締めなければ。!!ジャミーン様、あいつの死角から攻撃を?これは入ったぞ!




『甘い。その様な攻撃など』




『く、くそ。この攻撃が入らないのか?もう一度だ。』




・・・・・・・




『ちっ、この眼を使っているのにここまで動きを読まれるとは・・・・・』




ジャミーン様、それは俺も同じだ。この力を使っているのに決め切れない。何という強さだ。このままではい




ずれ消耗して皆殺されてしまう、何とかしないと。




『考え事などしていると殺すぞ!』




『うわっ』




あ、危なかった。は、早くこいつを倒して皆を助けないと。俺が何とかしないと。




『ジャン!!何を焦っている。私もいるんだぞ。連携してこいつを・・』




『無理だ。下がれ。俺がやる!!』




『ジャン・・お前はっ』




『ジャン殿、一人だけで何とかしようと考えるな!ここにはジャミーン殿や我々もいる。確かにジャン殿ほ




ど強くはないだろう。しかし我々も戦っているのだ。自分の出来る事を精一杯果たしているのだ。それでも自




分一人で戦うというなら、我々への侮辱ですぞ!!もっと我々を信じてください。』




『リッチモンドさん・・・・・』




『そうだぞ、ジャン。お前はあの敵に集中しろ。周りの事は考えるな、皆必死で目の前の敵と戦っている。そ




う簡単には崩れんよ。それにお前はあんな敵に負けるような弱い男ではないだろう!』




『ジャミーン様・・・・・』




『そうだ皆、ジャミーン様とジャンが頑張っているんだ。この程度の数の兵士に負けるな!兵士をあっちに行




かせるな。何としても持ちこたえるぞ!!』




『おう!!!』




『皆・・・・・』




そうだ、戦っているのは俺だけじゃない。皆戦っているんだ。他の事は考えるな。あの敵を倒す事だけ考える




んだ!!




『ジャン、私がこいつの動きを攪乱する。合わせろ!!』




『おう!!』




・・・・・・・・・・・




な、何だこいつら。さっきまで私の動きに全く付いて来られなかったのに。連携が上手く取れている。それ




にこの男、先程から動きが早くなっている?どんどん鋭く、早くなっていく。は、早い!




『ぐわっ!!』




『やったぞ、ジャン。このまま行け!』




『ああ、ジャミーン様』




体が軽い、なんて軽いんだ。それに力が溢れて来る。この敵を倒す事だけに集中したら、それだけを考えてい




たら、どんどん楽しくなってくる。俺はまだまだ強くなれる!!




『く、くそ~。俺は騎士団長だぞ。一番強いんだ。もうどうなっても知るか。』




『ま、待て、サイモンよ。今ここでその姿になるのは・・・・・』




『王様、お許しください。しかしもう遅い!!グ、グワーッ』




『フー、フーッ』




『予想はしていたが、やはりこいつも怪物の姿になれるのか。ジャン、気を付けろ』




『大丈夫だ、ジャミーン様。今の俺なら行ける!』




・・・・・・・・




『馬鹿な、変身した私の攻撃が当たらないだと~。くそ、くそ。』




『確かに攻撃自体は凄まじいものがある。しかしスピードそのものは変わらない、むしろ落ちていないか?』




『ふざけるな!変身した私は最強だ。私より強い奴など存在しないのだ!』




・・・・・・・・




『何故、当たらない?馬鹿な、馬鹿な。』




『気は済んだか。そんな頭に血が上っている状態では、勝てる訳がない。もう負けを認めろ。』




『!!!!!ふざけやがって~あの女を殺してやる~』




『く、殺られる。』




『死ね~』




ドゴッ




『ジャ、ジャン』




『馬鹿な、この男、私の攻撃が顔面にまともに入ったのに。む、無傷・・・・・』




『ペッ、なんだ、攻撃自体も大したことなかったな。それにお前、やっちゃいけない事をやったな!』




『ヒッ』




ドスッ




・・・・・・・・




『馬鹿な、サイモンが倒されるとは。奴は、手下の中でも最強。そいつがやられたとあってはこの先どうすれ




ば。それに変身した姿を見られている。もはやこの国は捨てるしかない。くそ、この国を内側から手に入れ




る計画がこんな事になるとは。』




『さあ、王様、大臣。もう貴方達を守ってくれるものはいなくなりましたよ。どうするんですか?』




『大臣よ、お前も戦うのだ。』




『ははっ』




ゴキ、ゴキ




『ハァーハァー』




『う、やはり大臣も。』




『して王様は?』




『私は、帰る。』




バサッ




『背中から翼が生えた?』




『そんな、王様ー』




『さらばだ、皆のもの。』




・・・・・・・・・・・・・・



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ