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ステージ3 ④

・・・・・・・・・・・・・




教官との模擬戦から一月程が経った。俺は強化外骨格の扱いがさらに上達していた。並みの強化外装甲




使い相手だと互角位には持っていけるようになっていた。しかし練度の高い相手ではそう上手くはいかな




かった。やはり一番の問題はスピードやパワーといった基本スペックの違いだった。しかしこれはどうし




ようもない事であるのだ。後は教官との模擬戦の時に出したあの力が出せないでいる事だ・・・。




『うーん、あの時どうやってあんな力を出したのだろう?』




もうずっと考えているのだが、全く答えが出ないでいるのだ。それにステージ2で使えていたあのオーラ




のようなものもずっと使えないでいるのだ。確かにロボットに乗っている時にあの力が出せても意味がな




いのは分かる。しかし、普段の時等にも使えないのは何故だろうか?やはり一番可能性があるのは




ステージが変わったからだろうか?いや今使えない力の事を考えても意味がない。出来る事で




なんとかしよう。




『おはよう、皆。さあ後一月程すればお前達は晴れて卒業だ。おめでとう。最初に入って来た人数




の半分以下、いやもっとか?いずれにせよ相当少なくなってしまったな。しかし私は残ったお前達




は精鋭だと思っているぞ。ソーバ残党軍の動きもきな臭くなってきた。これから正規軍に配属される




訳だがここからが本番だと思って臨むように。』




『教官、まだ俺達卒業して無いですよ~。気が早いですよ~』




『そうですよ~。教官。』




『そうだったな、悪い、悪い。さあ来週には大規模な調査任務が行われる予定だ。ここからはジオが




行く予定になっている。』




『はい、教官。』




『よし、それが終われば卒業まであと少しだ。皆も気を抜かないように鍛錬を怠るなよ。さっきも




言った通り配属されてからが本番だ。では講義を始める。』




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・




調査任務当日




『ジオは今頃調査任務か~。エリート様は違うな~やっぱり。』




『まあそういうなって。俺達も訓練で十分大変なんだからよ~。』




『そうだな・・・っておいあれ何だ?隣の基地の上空に・・・あれは強化外装甲だ。あれは敵なのか?』




何?士官学校に隣接している基地を狙っている?しかし何故だ、こんな所の基地を狙っても何も無いぞ




待てよ、この付近には少し遠いが軍本部がある。ここからでも援軍は送れるはずだ。まさかそう




させない為に!!




『お前達、軍本部より救援信号が入った。援軍に行きたい所だが先ずは隣の基地の救援に向かうぞ。




全員、強化外装甲を発進出来るようにしておけ。今すぐだ。』




『・・・・・』




『何をしている?でないと全員殺されるぞ!!』




『了解!』




・・・・・・・・・・・・




『よし、これは訓練では無い。いくぞ、全機発進!!』




『はい!!』




よし皆、無事に発進出来たな。武も付いてきているな。




ドーン




『何!』




『うーん、何か30機程いるね。全部行かれても面倒だし全部落としちゃおうかな。』




『何だこいつ?たった一機だぞ。囲んで落とせ。』




『おう。』




『やめろお前達。こいつは式典の時にいた手練れだぞ。』




『えっ・・・』




『もう遅い。』




ドーン




『うーん、三機一気に撃墜っと。』




『くっ、何者だ?』




『そういえば、まだ名乗っていなかったな。俺はソーバ軍 近衛隊 №10 セルゲイだ。』




『近衛隊?まさかあの。』




『教官、近衛隊って?』




『ソーバ軍はいくつかの師団で構成されている。それはオーラシアも変わらない。そして近衛隊とは




その師団よりも上の超エリート部隊だ。』




『その通り。良く知っているじゃないか。まあ俺はその中では、一番下なんだがな。しかしそこらの




兵士よりは断然上だぞ。お前達正規軍ですらないな。見習いか?』




『・・・・・』




『当たりのようだな。ではこの俺様が一人残らず落としてやるよ!!』




『くっ、お前達前に出るな。お前たちは後方から距離を取って撃ち続けろ。絶対に前に出るなよ。




こいつとは私が戦う。』




『いや、教官。ここは俺と教官で前に出る。残り5機で後方支援だ。残りは基地の支援に行くんだ。』




『武!・・・いやその通りだ。基地も危ない。それに二人なら抑えられるかもしれない。




武の言う通りにしろ。行け!!』




『了解!』




『おや、二手に分かれたか。本当に大丈夫か?一瞬で終わっちまうぞ。』




『終わらせないよ。』




『おっと危ない・・・って強化外骨格?そんな過去の遺物でどうにか出来ると思っているのか?』




いや、何だこの機動性。強化外装甲とそんなに変わらない?しかも的が小さい分当たらない。しかも




この教官と呼ばれている機体、かなりの手練れだ。おまけに後方からの銃撃もうざい。この三つが




重なるとこうまで厄介なのか?ならばわざと隙を作ってやるか。




『良し』




なんとか戦えている。教官の負担が一番大きいがそれでも何とか。しかしこのままずっとという訳にも




いかない。何とか俺が突破口を開かないと・・・。ん、あいつの挙動、何かおかしくないか?




左後方からの攻撃に関して反応が若干だが遅い?




『教官、聞こえますか?』




『どうした?』




『あいつ、左後方からの攻撃に対して若干ですが、反応が遅いような。』




『そうなのか?』




『いえ、ほんの少しですが・・しかしもうそこを突く位しか。援護射撃もいつまでも出来る訳じゃない




それに、もし教官がやられでもしたら全滅です。』




『確かにそうだな。・・分かった。私が囮で前に出る。武は敵の左後方から攻撃だ。後方のお前達は




武の攻撃が悟られないように撃ちまくれ。』




『了解。』




『では行くぞ。うおおー』




『どうした?破れかぶれの突撃か?そんなもの。ちっ援護射撃がうざい。うわっ』




『当たった?やはりそうだ。左後方は奴の死角、これならいける!!』




『ふっ』




『え!』




『まんまと引っかかったな。先ずは一匹!』




くそっ避けられない。やられる!!




『うおおーーー』




『何?くそっ』




『教官!!』




『何してる?速く逃げ・・・・・うっ』




『狙いは違ったが先ずは一匹!!』




『オッシー教官ーーーーー。』




『続けてもう一匹!何?援護射撃か。しつこい』




『くそーー。教官をやらせはしない。俺達だって。』




・・・・・・・・・・・・・・・




『教官、速く脱出を!!』




『無理だ。こっちに来るな!!ぐふっ』




『教官!!ならばこちらから。』




『来るな、武!!!』




『教官・・・』




『私の最後の願いを聞いてくれ、武。お前は不器用な奴だ。強化外装甲もまともに操縦出来ない。




直ぐに辞めると思っていた。ぐふっ、しかしお前は愚直に努力し続けた。そんなおまえを見ていると




私も手助けがしたくなった。模擬戦の事、覚えているか?あの時のお前は凄かったなー。お前は




エースパイロットになれる。』




『教官・・・・・俺なんかよりジオの方が・・・』




『ジオか。確かにあいつは天才だ。間違いなくエースパイロットになるだろう。しかしジオと同じ




方法で戦う必要は無い。お前はお前のやり方でジオに勝てば良い。私が見込んだ男だ。




期待・・・しているぞ・・・』




『教官ーーーーーーー。』




『何をしている、武。教官の機体は未だ爆発していない。教官は俺達が死んでも助ける。だから




あの敵を倒してくれ。あの敵を抑えている仲間が今にも殺されそうだ。悔しいが今あの敵と戦える




のは武、お前しかいない!!!』




『分かった、俺があいつを倒す!!!』




・・・・・・・・・・・・




『くそー、俺達だけじゃこいつを倒せない。教官の仇なのに。』




『いーや、お前達じゃ無理だ。死ね!!』




『うわっ』




『やめろーーー』




『何?俺様を止めた?ってさっきの強化外骨格の奴か。何しに来た。お前に何が出来る?』




『俺はおまえを倒しに来た。』




『ぶっ、はははははーーーー何を言っているお前にそんな事が・・・』




何?動きが見えない?馬鹿なこの俺様が動きを捉えられない?そんなはずが。




『うわっ』




『ギリギリで避けたか。流石だな。』




『あ、当たり前だこの俺様は近衛隊だぞ!お前なんかに。何?』




何だあの強化外骨格?頭部が光輝いている。それにあいつの全身をオーラのようなものが包んでいる。




『何なんだお前は?いったい何をしたーー?』




『俺はエースパイロットになるんだーーー。』




『何ーーーさっきよりもはや・・・ぐふっ。この俺様が・・・近衛隊である俺様が・・・・・』




ボカーン




『やった、倒したぞーー。』




『ありがとう、武。君のおかげだ。』




『ところで何か全身からオーラみたいなのが出てるんだけど?』




『え!そうかようやく使えるようになったんだー。これならどんな奴が来ようとも勝てる!!そういえ




ば教官はどうなった?』




・・・・・・・・・・・・




『教官は病院に運んだ。予断を許さない状況だそうだ。しかし教官なら大丈夫さ。それとこの基地




周辺はもう大丈夫だろう。最低限の守備だけ残して残りは軍本部に向かうべきだと思う。』




『そうだな、残ったのは大体10機程か。基地の兵に報告して直ぐにも向かおう。』




『おう。』




・・・・・・・・・・・・・




『士官学校の連中か。よくあの敵を落としたな。ありがとう、仲間の仇を討ってくれて。本来は




正規兵の我らがやるべき事なのだがな・・・・・』




『そんな事を気にするな。それより今は軍本部の救援を。』




『分かっている。ここの守備は俺達に任せておけ。まだ強化外装甲も何体かはある。お前達は早く行って




くれ』




『分かった。では補給が済み次第すぐ出発だ。』




『おう!!』




・・・・・・・・・・・・・・




『見えてきたぞ。あれが軍本部だ。』




『だいぶやられている。』




『おい、あれ落ちてないよな。』




『いやまだかろうじて落ちてはいないと思う。』




『急ぐぞ!』




・・・・・・・・・・・・・・・・




『くそ、どんどん部下がやられている。このままでは全滅だ。しかしあの4機強すぎる。式典の時




に攻めてきた4機だな。どうにかしないと。』




『隙あり。』




『しまった!!』




『何!援軍!あの方角は・・・』




『ええ、№10がやられましたね。全く使えない。』




『仕方がない。奴は、近衛隊の中では最弱。』




『何をしている?奴らは少なくとも近衛隊の一人を抜いてきたのだ。構えろ。』




『は、申し訳ございません。隊長。』




『ふん、本当の隊長は俺では無い。あくまでこの作戦ではだ。お前達も分かっているだろう。』




『・・・・・』




『何だ?もっと敵が大勢いるかと思ったらあの4機だけ?これならいけるんじゃないのか?』




『援軍か!助かった!しかしあの4機を甘く見るな!軍本部はほとんどあの4機にやられたようなものだ』




『え!!!』




『よし、先ずは陣形を整えるぞ』




『分かりました。俺達士官学校の生徒なんです。』




『なんだって?』




『あれ武は?』




『あれ、何処だ?』




『あ、一人で突っ込んでるぞ!あの1機だけ離れた場所にいる奴を狙っているんだ。』




『何をしているお前達?早く戻らせろ。たとえ1機でも相当の手練れだぞ。ってあれは強化外骨格か?




尚更早くしろ。確実に死ぬぞ!』




『は、はい。武、武、何をしている?早く戻れ。死ぬぞ!』




『聞こえてるよ。今の俺ならやれる。大丈夫だ。』




『おい、№7、聞こえるか?そっちに一匹いったぞ。ん、あれは強化外骨格?』




『ええ、見えていますよ№6、馬鹿が。相手の力量も分からない奴は死あるのみだ。さあ来い。




一瞬で終わらせてやる。・・・ん何か全身が光っていないか?消え・・・・・ぐおっ』




ボカーン




『!!!』




『!!!』




『ふう、まあこんなものかな?いや未だ違和感があるな。まだまだ鍛錬あるのみだな。』




何だと、№7は俺の一つ下なだけだ。それにこの二人よりも強いんだぞ。それに何だあの光は?




全身が光っているように見えたが特に強化外骨格の頭部が一際光って見えた。・・・頭部・・・




はっ、まさかあの光はスキル使用時の光では。本来強化外装甲や強化外骨格の操縦時はスキルは




使えない。そりゃそうだ。いくらスキルが使えたとしても操縦者の能力が向上しても意味がない




からな。しかし、厳しい鍛錬を積んだ者の中にごく稀に機体にそのスキルの力を付与出来る者がいる




という。そして現状ソーバ軍でそれが出来るのは近衛隊№5以上の実力者のみ。さらにその力はこのステ




ージ攻略の鍵となる力だ。そう我らが理想とする、争いの無い世界実現の為の力だ。




『撤退するぞ、№8、9。』




『え、隊長?』




『ええい、俺は隊長では無い。№6だ。それより急げ!』




『はっ』




『奴ら、逃げるぞ。追うんだ。』




『待て!今軍本部はボロボロだ。逃げるというなら追わない。先ずは立て直しをはかるべきだ。』




『そうですね。了解。』




『№5様、№5様』




『どうした?№6お前らしくもない。そんなに慌てて。』




『見つけました。』




『何をだ?』




『スキル使用者です。』




『ほぉー。よし必ず生きて情報を持ち帰れ!』




『はっ』



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