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シーン1 red eyes

日々、試行錯誤を繰り返し、書き直しをしています。ご容赦くださいませ。とても楽しい時間です。

　　シーン１　　red eyes

　ユーラシア大陸のある国のある村で、ウィルス感染による疫病（えきびょう）が発生した。感染経緯、不明。治療方法、不明。感染者数、不明。このウィルスは人には感染せず、蔦科植物のみに寄生すると考えられていたが、気候変動の煽（あお）りを受け、生存本能をたぎらせて突然変異を遂（と）げ、人に感染するようになった。発症国の保健省は極秘のうちに、この疫病（えきびょう）の封（ふう）じ込めに成功する。

　この疫病の症状は、結膜炎に酷似（こくじ）していた。3ヶ月で完治するが、その過程（かてい）を3回繰り返して、最後の1ヶ月は目から血を流して死亡する。その死に様（ざま）から人は、この疫病を“ red eyes “と呼んだ。

　WHOはこの疫病の情報を、早い段階で掴んではいたが、事務総長は発症国がWHOに使用用途（しようようと）を、指定しない多額の寄付をしていたため、世界に向けて注意勧告する発表をためらい、協議している間に、疫病は収束（しゅうそく）へと向かう。

　その結果、WHOによる初動調査は行（おこな）われず、世界は“ red eyes“ の存在を知る機会を逸（いっ）した。

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