プロローグ
初めまして、閲覧頂きありがとうございます。
拙い文章ですが、少しでも暇潰しくらいになれば幸いです。
念の為、R-15指定とさせていただきます。
15歳以下の方や過激な表現が得意でない方は閲覧を御遠慮くださいませ。
また、素人による小説です。個人の独断と偏見での異世界設定などもございます。誤った点等あるかもしれません。御容赦くださいませ。
それでは、どうぞよろしくお願いします。
── 社会。
それはあらゆる数字に追われ、我々人間を縛るものである。それに縛られた人間は上と下、どちらかに分かれる。上なら天国、下なら地獄。非常にわかり易い。
さて、自分は天国と地獄なら恐らく地獄だろう。
というのも簡単な話だ。
今しがた自分は会社の勝手な都合でリストラされ職を失った。とどのつまり、無職である。これは社会的な死であり、この上ない地獄なのだ。
いや、この場合 “ この下ない ” というのが正しいのだろうか。
「どっちでもいいか…。」
思い返せば、数年前にとある事件で両親と唯一の妹を失ってから、自分の人生など存在するも無意味なものである。嗚呼、己が人生をそのように思うことこそ無意味なのかもしれないが。
「これでいよいよ…孤独だな。」
俺、臼井 恭介の人生において、社会こそが唯一無二の居場所だった。それを失った孤独感、虚無感。そして少しの解放感。乾いた笑いが起きるくらいには堪えているらしい。
この圧倒的な絶望を前にして、進める人間など本当に居るのだろうか。居たとしても、自分はきっとそちら側の人間では無いのだろう。
であれば、これ以上この思考をする意味はないというものだ。
「……考えるだけ無駄だな。」
こんな時、止める者もいないというのは本当に寂しい。
さようなら、世界。
その日、臼井 恭介は命を終えた。