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DarkBlackMemories 闇黒の記憶 深海での戦いから先  作者: 紅蛍2
第2章 ThirteenDragonsHunter:World(途中から)
1/1

第27話「G・R 深海魚の流儀」

前回のあらすじ

謎の杖に関する資料を探すも結局不明


始祖鳥で深海まで潜った。

辺りは無としか言いようがない暗闇が広がっている。


「ねえラプターさん、ほんとにこんなところに『十三ノ龍達』の一角なんているの?魚すら見当たらないんだけど…」


「灯、お前なぁ…よく見ろよ、奇妙な姿の魚がうようよいるじゃねえか。」


「あたしはラプターさんみたいに人工細胞で目を強化してないの!」


丁度その時、食料調達のために外部に出ていた二人が戻ってきた。

レガインは顔をしかめていた。


「ねえラプター、なにこれ。」

「レガイン、それたぶん深海魚。前に灯の部屋で読んだ図鑑に似たような魚が載ってたんだ。」


深海魚程度なら食べなれてそうなラプターですら残念そうに述べた。

「やっぱ深海魚か。人魚を捕まえてくれりゃ…いや、何でもない。」

「人魚…?ラプターさんたら、おとぎ話じゃあるまいし。そんなのいるわけないじゃん。変なの。」

「そうだよな。あんなものはどんな資料にも生態は載ってなかったしな。とりあえず俺がこの深海魚を焼いてくるから待ってろ。」


おそらく始祖鳥の調理室でその魚を持っていき、数分後に焼ける匂いがした。


「さて…」

片眼鏡を外し、丸いサングラスをかけ、白衣を脱いで袖をまくった。


「…」


何も言わず先ほど焼いた魚と皿に盛られた大量の塩を持ってきた。


「ブッ、ラプター、ちょっと何その格好!?」

「お兄ちゃんあれ…」

「間違いない、異世界では有名だと伝わるあのシェフと同じ…!」


ラプターは無言で塩を一握りとり、ひじにあててばら蒔くように塩をかけた。


レガイン「食べる前からお腹痛くなるからやめてよもう!」

その様に一同は笑いが止まらなかった。


「調理完了だ。さあ、冷めないうちに。」

服装を元に戻した。


「う、うん。いただきます。」



「はいレガインちゃん、口移ししてあげる。」

「私にはそういう趣味はないの!それに自分で食べられるから!」

何やらいけない関係に発展しそうだが、レガインがなんとか理性を保った。


ラプターは調理は大雑把な割に食べ方はこだわっている。

「まずはうろこをを一口、そして身とはらわた…うまい~~~っ!」


食事を終えると、白夫があることに対して質問した。


「そういえばラプター、さっき人魚がどうって…」


「ああそれか。まず白夫、お前も『十三ノ龍達』らしき生物は見つからなかったんだろ?」

「うん。全く気配を感じなかった。」

「万が一この始祖鳥が沈められた時に、どうやって戦うと思う?」

「まさか、人魚に人工細胞を?」

「その通り。」


微笑みながら懐から()()()()の化石のような注射器を取り出し、全員に見せた。


「こいつは最近遺伝子工学棟のやつらがZ染色体をベースに作り出した『M-lizard』の試作品だ。これが最終手段になる。」

「注射器の形状を見たところラプターさんと同じ恐竜の遺伝子を投与するものなの?」

「恐竜には変わりはないが、かつて海に棲んでいた恐竜『モササウルス』の遺伝子で魚類としての能力を強化し、爬虫類の遺伝子で無理矢理足を生やすといった効果があるらしい。」

「人魚に足を?そんなおとぎ話みたいな薬がほんとにあったなんて!」

「でも打ったところでラプターに従うかは賭けなんじゃない?」

「その心配はない。『俺の事を好きになる』効果があるらしい。恋愛的な意味か上司としてかは知らねえがな。」

「そんな確証もない手段に頼るくらいなら、さっさと例の生物を倒した方がいいんじゃないの?」


と、その時。



「フ…………レルロ様、おやめください!」

少女が叫んでいる声が聞こえた。


ラプターは一瞬

「幻聴か?」


と疑ったが、()()()()()()()()()()()が確かに聞こえたことで、それは本当のことだと理解した。


「生態レーダーに明らかに巨大な反応があるな。どうやらここから500m先だ。お前ら、準備しろ。」


レールガンや雷魔法が書かれてある魔導書などを用意した。


500m先に付いたその時、何かを発見した。

しかし先程反応があった巨大な生物ではなく…


「冗談だろおい。本当にいやがった。」

橙色の髪をした人魚の少女が、傷だらけでそこに倒れていた。

その様を見てレガインは泣きそうになっている。

「どう見てもまだ若いのに…。『十三ノ龍達』にもこんなひどいことをする奴がいたなんて信じられない!」


ラプターはその人魚のある異変に気付いた。

「ん?変だな、()()()()()()()()ぞ?」






突如暗闇のなかから、まるで光のような速さで水が噴射されてきた。

「電磁バリアのおかげで無傷だ。いることはわかってるぞ、姿をこいたらにも現したらどうだ。」


「ちっ、ばれてたのかい。」

魔女のような不気味な声で答えられた。だが姿は現さない。



「それにさ、アタシはそんなちっぽけな人魚食べたって腹の足しにもなりやしないよ。あんたらみたいな深海を知ろうとする科学者を沈めるための蒔餌みたいなものさ。」

「! 私たちをおびきよせる囮にするためにこの娘を傷つけたの?」

「ああそうさ。アタシは何やっても咎められやしない身分だしね。」


「ほう、なら…陸上にもお前より強い生物がいることを知ってもらおうか」


何かのボタンを押すと、強く発光し、ついにその生物は姿を現した…


「あらら、これじゃあ擬態はできないね。じゃあさっさと沈めるまでだ!」

「お前こそ海の藻屑になりやがれ!」

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