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魔女集会で会いましょう

作者: 尾無猫

 僕は師匠が嫌いだ。


 僕に面倒な事ぜんぶ押し付けてくる


「坊や、部屋の掃除お願いね」


 あぁ嫌だ。どうして僕が魔道書や怪しい黒魔術に使う道具で埋もれた部屋を掃除しなきゃいけないんだ。

 大事そうな本をベットの下に隠してやった。


「坊や、お皿を洗って頂戴」


 ウンザリする。どうして師匠が食べた料理を乗せたお皿を洗わなきゃいけないんだ。腹がたつので3枚ほど割ってやった。


「坊や、洋服を洗濯しておいて」


 嫌気がさす。どうして僕があんな陰気臭い真っ黒な服にヘンテコなとんがり帽子、さらには聖骸布まで洗わなきゃいけないんだ。ぜんぶ一緒に洗って色移りさせてやった。


「坊や、今日の夕食はオムライスがいいわ」


 この館から逃げ出してやろうか。どうして僕が師匠の食べたいものを作らなきゃいけないんだ。師匠の苦手なグリーピースをおおめに入れてやった。


「坊やが作る料理はやっぱり世界一ね」


 師匠が作った方が美味しいくせにお世辞を言って僕の顔色を伺うのにイラっとする。翌日の夕飯は師匠に作らせてやった。


「坊や、遂にこの呪文使えるようになったのね」


 当たり前だ。僕を誰だと思ってる。あんたの弟子だぞ

 思い切りドヤ顏してやった。


「坊や、もう私から教える事は何もないわ」


 虫唾が走る。僕はまだあなたの足元にも及ばないのに。ここにいさせてと泣きついてやったら困った顔をしていた。


「立派な魔術師になるのよ。」


 10年前勝手に僕を拾ってここまで育てて魔法が使えるようになったら捨てるだなんて酷い。


「いってらっしゃい。坊や。」


 師匠と呼ばずに母さんと呼んでやったらメソメソと泣きやがった。どうだ弟子…いや息子に泣かされる気分は


 次会った時までにもっと上級の魔法を使えるようになってやる。だからまた会いに来てもいい?

 母さんにもっともっと成長したところ見せるから

 会いに行ってもいい?



 そうね。それじゃあ今度会う時は









  魔女集会で会いましょう






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