一筆目「僕も」
キーンコーンカーンコーン…
ホームルームの終わりを告げるチャイムが鳴った。溜息が漏れる。( ̄Д)=3
僕、一色優輝は高校2年生。そう大人は誰もが何歳まで若返りたい?と聞かれると答える、高校2年。
そう、人生でのピークといっていいほどバラ色であるべき時期だ。そこに僕はいま、いるのだが、
なぜか、この日々が色あせて感じる。
「優輝、3階いこーぜ」
「おう」
今話しかけていたのは、親友、優希。名前が同じということもあってか、入学当時から、仲がいい。
「1限目から生物だな~」
「あぁ、だるいな」
生物の先生は、どの生徒からも絶大な不人気を得ている、井之頭先生だ。名前は覚えなくて大丈夫だ。
先生は、間の取り方というか、そういうものが人とちょっとずれていて、そのうえ頑固だから先生に明らかに
非があっても、みんなめんどくさいから受け入れる。それだけやりづらい先生だ。
あいにく優希は最前列の右から3番目なので、一番絡まれやすい席だ。アーメン( ̄人 ̄)
一方、僕は一番後ろ、左端…勝った(・ω・)bグッ
昨日、撮りためたアニメを消化していたのもあって、うとうとして顔が下がって、机を見ると。
「つかれたな」
机に、可愛らしい丸文字で、寂しさをぐっと感じるように、書かれていた。
傷がいくつもついている、マッキ―の落書きが消えずに残っている机に、ぽつんと、しかし目に飛び込んでくるような、そんなたたずまいで、その文字は書かれていた。
僕は、ほかのクラスの人数が自分のクラスより少ないことを隣の席のクラス会長に確認して、
「僕も」
と、下に書いた。