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僕は穴の底にいた

このままが良い

このままの関係が良い


と彼女は言う


ハハハッ!

良いよ!それ!

君らしくてさぁっ!

まぁ、付き合ってとか

言われたら逆に萎えるのは

目に見えてるしね

…これからヨロシクね?

 


そいつは言う






彼は


バカで幸せだった


信じてた


ずっとずっとずっと


約束した


これからを


はずなのに


はずなのに


どうしてこうなったのだろう


信じてはいけなかったのか?


だって愛してるって


一番好きだって


いってたのに


いってたのに


信じてる


信じてた











ウラギラレタンダロウナ












ア、アハハハハハハハハ






小さな部屋で響く笑い声


どこまでもどこまでも響くそれは


ひどく痛々しかった






彼が幸せだったとき


人を信じることが楽しかったとき


すべてが自分に返ってきて


すべてを誰かに託せたとき


一番大切な人に


思いを告げた




…さん!ぼくと付き合って下さい!


はい!喜んで




その時彼は有頂天で、


誰も彼もが幸せだった


その日曜日彼らは早速デートをした


昔ながらの待ち合わせで。


 


 

待つ時間はもどかしいけど


二人で過ごす


時間はめちゃめちゃに速すぎて




気づけば太陽が落ちそうで


焦燥に刈られた彼は


別れ際


彼女にキスをした


二人は今年成年していて


恥ずかしがるような年でもないのだが


揃いに揃って顔は真っ赤だった




彼女はスカートの端を握りながら


彼にキスを返した


そんな日々が続いて


そして二人は関係をもった


当然のことだった


誰から見てもお似合いで


当人どうしも愛し合って


止められるものなど居なかった




居なかった




彼女が友人に連れられお酒を飲んだ日


彼女はベロベロに酔ってしまった


その時知らない男にこう言われる


俺は君の愛しの彼の秘密を知っている

これを公にすれば

彼はきっと普通の生活を送ることはできないだろう


そう言われて焦る彼女


考えがまとまらず

兎にも角にも

何かをどうにかしなければ


彼のピンチを打破しなければ


彼女は言った


お願いします!

何でもするからそれを秘密にしていて!


彼女は疑問ひとつ持たず


そいつと関係をもった





彼女が背負うは罪悪感


誰にも言えない秘密にするしかない荷物


 



 



そしてちょっぴりの背徳感








それから堕ちるのは早かった


薬をもられ


快楽に溺れ


離れるなんて考えられない


彼も好きだがそいつも好き


ただれにただれて


もう何もかもが壊れていた


彼女もそいつも 




彼も。



彼が気づいたのは偶然


彼女としたある日


ベットで眠る彼女が明日


きれいな服を着られるように


彼女の衣服を洗濯しようとしたとき


彼女の服に


白い何かがついていた


慌てた彼は彼女の方へ


よく見て見ると、髪にも何かがついている


おかしいな


可笑しいな


だけど彼は信じた  


何かきっと


何かきっとあるんだって。


何かはあった


彼女の日記の一片


ごめんなさい

わたしは簡単に乗せられてしまった 

きっとどうにかするから

だから待っていて

いつか絶対謝るから

許してなんて言わないから


彼は信じた


一度でも疑ってしまった自分を殴った


詮索した自分を殴った


彼女を信じよう


彼は日記をもとの場所に戻した









戻らなかった


戻らなかった


彼女は選んだ両方を


どちらかと言えば


そいつを得るために選んだのだ 


彼女とそいつは

彼の家で

奇形な愛を約束した



あの日の夜



彼は言った



別れよう


彼女は疑問をなんども投げかける


だけど彼はひどく虚ろな様子で只立っているだけだった


彼女は最後に投げる


疑問という名の爆弾を


彼女はそいつに手放されたくなかったから


誰かのものじゃないと愛せないという奇形なそいつに見放されたくなかったから


気づけなかった

それが

彼だけには与えてはいけないものだと



わたしのことが嫌いなの?







??????

????????

あ?????????

嫌い??????????

????????????????

!!!!!!!!!!!!!!!!







ッ!

すきだすきだすきだすきだ

大好きだ!愛してるって!何よりも誰よりも!

でも!でもでもでもでもでもでも

お前なんか嫌いだ!

大っ嫌いだ!

お前が憎くてたまらない

何で何だ!

信じてたのに

自分に嘘をついてたのに

辛くなんてないって

きっとちゃんと謝ってくれるって

そしたらまた戻れるって


ソレナノニ…


アハ…ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ


…出てけよ

出テケ!!!!!!






それから彼は誰とも会わなかった


休学届けは郵便で出した


只知り合いと会うのがものすごく億劫だった。


買い出しもニット帽を深くかぶり、出来る限り風景に溶け込んだ


日頃の生活も、外にでなくていい仕事を探した

どれも根気が必要で、きつかったのだけれど

なにも考えたくない彼にはむしろ好都合だった


一日のほとんどを仕事で潰した




それでも死にたいとは思えなかった

いや、死にたかったが何度死のうとしても足が止まるのだ。



もっと辛い目には会いたくないだろ?


誰かにそういわれている気がした




そんなことを続けた半年


ふと、彼は知った


踊り場で寝転がりながら知ってしまったのだ


階段の十三段目、一番上から落ちながら

頭によぎるのは

彼女とそいつが交じり合う場面



あぁ、僕はこれが見たくなかったのだ



走馬灯と呼ばれるそれは

彼の心に突き刺さる


踊り場で

転がる彼は笑っていた。



こんな最後は確かにやだなぁ



踊り場で

転がる彼は泣いていた








だけど確かに

確かに前を向いていた







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