寝癖(☆)
写真が多いので、ちょっと重いかもしれません。
シェパードの仔犬は寝癖がつきやすい。吹雪もヒドイもんだった。ここで言う寝癖は、髪(毛?)の寝癖ではない。耳の寝癖だ。
柴犬もシェパードもコヨーテも、犬種にかかわらず仔犬は耳が垂れている。
そして耳立ち犬の場合、生後数ヶ月で根元から少しづつ耳が立ってくる。
……丁度こんな風に。
柴犬やスピッツ系の小さく尖った耳の子達は、一旦立ち始めるとあっという間にピンとなる。まぁたまに先っぽがてれんと折れたままの子もいるが、まぁそれはそれで愛嬌があるからいいじゃないですか。しかしシェパードのように耳がウサギ型の犬種は完全に立つのに時間がかかる。数週間から数ヶ月、立ったと思ったらまた折れて、中々安定しないのだ。
ある日、風は東から吹き……
翌日は西から吹く。
おおっ、あと少しだ、頑張れ……
と思ったら何故かこんなになっちゃって。
後ろ姿が何やら宇宙人のようだ。耳につっかえ棒でもしてやりたくなってくる。
イケメン二枚目の素質はあるのに、どうも笑顏にイマイチ締まりがない。柴犬の垂れ耳は可愛いが、シェパードの垂れ耳は情け無くって苦笑を誘う。
吹雪はシェパードの中でも群を抜いて耳がデカく、耳立ちに2ヶ月以上かかり、「もしかして吹雪は永遠に三枚目かも……」 と私をやきもきさせた。
そして生後4ヶ月半にしてようやく耳の立った吹雪!
しかし耳だけ先に成長してしまったらしく、身体の大きさが耳に追いつくのに、この後10ヶ月かかったのだ。そして成長しても耳はやはり大きく、そのせいか聴力もやけに発達している。真夜中、微かな物音を聴きつけてウウウ、と唸るたびにジェイちゃんに「ガラパゴス諸島の音なんかに反応しなくていいから!」 とか言われている。
イケメン吹雪のイケメンへの道程は長かった……というお話。
50話目、切りが良いところでひと休憩します。
次回更新は5月半ばになると思います。




