第3の町
新作を書いています。私の作品に興味を持っていただけましたら読んでいただけると幸いです。
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「ようこそ、ラン・ルーツ・ペジオへ。旅の方。・・・頭と背中についているそちらは一体・・・?」
「町で購入した飾りです。可愛いでしょ?」
「そうですね・・・」
第3の町は湖の町だ。町の中心に大きな湖があって、観光地として栄えているらしい。実際先日リーゼとみた湖に負けず劣らずきれいだと思う。観光地として栄えるのも納得だ。
湖の奥では、この地を統べる領主様の屋敷がドンとそびえたっている。この町の領主様は気さくで、時々屋台で焼き鳥をほおばってることもあるらしい。子供も2人いて、仲良し夫婦としてこの町では有名なんだとか。以上、情報収集に買わせてもらった焼き鳥屋台のおじさんより。
あ、リバーバードを倒す時に生えた羽はスキルを解除しても消えなかったので残っている。時々風に煽られて倒れそうになるので角と合わせて非常に邪魔だ。視線も集めるし。
さて、これからどうしようか。知力を上げにビッグ綿ウサギを狩るか、怨念の塊の使い道を探しに行くか、他のことをするか。とりあえずぷらぷら散歩しながら考えよう。あ、おじちゃん焼き鳥お代わり。
ゲーム内で食事をするのは久しぶりだ。空腹ゲージがないから本当は食事もしなくていいのだけど、リバーバードのおかげで臨時収入が入ったので楽しむことにした。最近リアルはゲームばっかりでカップ麺とかしか食べてないし。
「いっぱい買ってくれた嬢ちゃんにサービスだ。あっちの道を少し行くと本屋がある。嬢ちゃん見た感じ後衛型の冒険者だろ?行ってみるといい。いいもんが手に入るぜ」
「そうなの?わかった。ありがと。おじさんのお店の焼き鳥美味しいから、もっと買わせてもらうね」
「ははっ、ありがとうよ。追加でサービスだ。夜になったら湖に行ってみろ。今日は満月だからな。いいもんが見れるぜ」
ふむ、夜ね?どうせ今日は暇だし、予定ができる分にはありがたい。夜の湖か、蛍がうじゃうじゃ出てきてきれいとかは勘弁してね。私蛍嫌いなんだよ。なんか臭いから。他の虫は別に普通なのに。
とりあえず言われた本屋に行こうか。後衛型の私にとってありがたいもの・・・思いつかない。本を読めば知力が上がったりするのかな?
そういえば始まりの町にも本屋はあったな、最近行ってないけど。〈鑑定〉を手に入れて用がなくなっちゃったからな。・・・ん?
そうだ。本を読んでもスキルって手に入るんだ。だとしたら屋台のおじさんが言ってたいいもんってスキル?
それにもう一つ思い出した。あそこには『死霊術のすゝめ』なんて本が置いてあった。怨念の塊のことは時間ができたときに錬金術師のお姉さんに聞こうと思ってたけど、本を読んでもいいかもしれない。〈死霊術〉についても気になるし。




