飛行
新作を書いています。私の作品に興味を持っていただけましたら読んでいただけると幸いです。
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「あう、いてて」
リバーバード・コマンダーに攻撃が当たらない。これはまだいい、相手の攻撃がもーまんたいだったら。さっきリバーバード・ソルジャーを倒してから指揮官の倒してくる羽根がダメージを与えてくるようになった。
これは多分スキルの〈かたき討ち〉が悪さをしていると思われる。言葉通りに読み取るなら、味方が死ぬたびにステータスかスキルに補正が入るんだろう。おかげで針を間違って刺してしまったときくらいの痛みとダメージが通っている。
どうしたものか。近づいてこないから目潰しができないし、魔法は当たらないしできることがない。近づけたら魔法でも物理でもできるんだけど・・・あ、そういえばさっき兵士たち倒したじゃん。もしかして、あれ手に入ったりしてない?
【スキル】飛行
羽を用いて空を飛ぶことが可能になる。高度は精神力×15mで計算される。
あった。さっきリバーバードから収穫した〈飛行〉である。これが使えれば近づいて煮るなり焼くなり好きにできるはずだ。ちょっと羽がない問題はあるが、そんなものは使ってから考えればいいのだ。それ。
ん?お、おお?なんか背中がかゆい。蚊に刺されたときの3倍くらいかゆい。しかもそれが結構広範囲に広がってる。あっあっ、掻けない!体が硬くてかゆい部分に手が届かない!ええい誰も見てないんだ。背中を地面にこすりつけてしまえ!
あれ、おかしい。地面に倒れこめない。というか私飛んでない?地面に脚ついてないよ。
あ、もしかして〈枝角〉と同じ感じ?えと、ここら辺?あ、なんか背中から生えてる。触ったら感覚合ったし神経通ってるな。ちょっと前に羽をもってきて・・・おお、ガラスみたいに透明な羽が生えてる。ただ羽は羽でも鳥の羽じゃない。どっちかっていうと蝶のほうが近いかも。まぁきれいだからいいか。
えーと、羽を動かして・・・あ、速すぎ。加速とかなしで一瞬で最高速度に到達した。リバーバードが魔法を回避できてたのはこれが理由か。なんか機敏だなとは思ってたよ。
そんなことを一瞬考えただけでもうリバーバードが目の前だ。今から魔法の詠唱なんかしたところで間に合わない。何なら杖を前に向けるのすら間に合わない。だってこんなに速いと思ってなかったんだもの。仕方ないので頭から行かせていただきます。
「んん!?」
あ、角あったの忘れてた。角に刺さったリバーバードが血と臓物をまき散らしながら地面に墜落していく。もちろん突撃した私にも血と臓物はまき散らされている。下から突撃したからね。私にかかるのは当たり前だった。
≪リバーバード・コマンダーの魂を収穫しました≫
≪リバーバード・コマンダーのステータスを一部収穫しました≫
≪リバーバード・コマンダーのスキル〈かたき討ち〉を収穫しました≫
リバーバードが地面に墜落しきる前にアナウンスが流れた。要するに、私の突撃は一撃でレベル35のモンスターを倒したのだ。
・・・もしかして〈真髄〉をMAXまで使って魔法を放つより、飛びながら角で突撃したほうが私って強いのでは?
羽はツマジロスカシマダラという蝶々のものを想像するとまんまそれだと思います。




