本屋
本屋の内装はいかにもって感じな昔ながらの本屋さんだった。店員のおばあちゃんはカウンターでずっと本を読んでる。私が入った時に鈴の音がしたから気づいてると思うけど、本のほうが優先見たい。怒られないのかな。
「こんにちわ」
「・・・いらっしゃい」
挨拶はしてくれたけどこっちのこと全然見てくれない・・・。まぁいいか、探そう。
え~っと、これは絵本、違う。これは死霊術のすゝめ、怖いな。これは料理の手引き、私に関係ない。これは・・・エロ本じゃん!これも違う。
うん、探すの無理だこれ。本の並びに規則性とかないし、おとなしく店員さんに聞こう。
「店員さん、〈鑑定〉のスキルが入手できる本を買いたいんだけど、どこにあるの?」
「・・・〈鑑定〉ならそっちの奥だよ。それと、できるのは貸出だけだ。3日で5,000Gだよ」
あ、お金足りない。最初に持ってた2,000Gから串焼きの分を引いたら、あるのは1,550Gだけだ。しょうがない。また今度お金貯めてからくるか。
「ありがとうございます。お金が足りないので、また今度きます」
「そりゃ仕方ないね。出直してきな・・・まった、あんたのその恰好、異人だね?」
「うん」
店員さん、私の格好見た瞬間に目の色が変わった。ちょっと怖い。
「異人にあうのは初めてだよ、だれもこの店に来ないからね。金に困ってるんだろう?稼げる仕事を教えてやる。代わりに情報をよこしな」
「・・・危ないことじゃないなら、私も教えるから教えてほしい」
「よし、契約成立だ。いいかい、通りに出て反対側の路地を進んだら、ごみの積み重なってる店がある。そこの店主は石でも雑草でも何でも買い取ってくれるから、外に出て適当に拾って売ってきな。3日もあれば溜まるだろ」
雑草て。売る私のほうが変な罪悪感抱えそうでちょっと嫌だな。お金ないから贅沢に文句とか言ってられないけど。
「ほら、あんたの番だよ。私はあんたらが持つ固有の属性とやらが知りたいねぇ」
それ私に聞かれても困る奴。サンプルが私とたまたま見た配信者の2つしかない。これで満足してくれないかな。
「ごめん、私も詳しいわけじゃないし個人情報になるから、私の属性だけでもいい?」
「かまわないさ。どんな属性なんだい?」
「〈収穫〉」
「ふざけてるのかい?」
「いやほんとに。私〈収穫〉属性なんだよ」
「・・・属性なのかい?それ」
うん、私も思った。でもね店員さん、システムが属性って認知してるから、属性なんだよ。〈収穫〉は。