使い道
「それじゃあ戻りましょうか」
「うん」
これから行くのは面倒だけど、冒険者ギルドにダンジョンを発見したことを報告しなければならない。夜中のうちにこのダンジョンに行きたい人がいるかもしれないし。なので行きとは違いそこそこ急ぎながら街に戻る。
「初回クリア報酬貰った?」
「『怨嗟の塊』というアイテムをもらいましたね。一緒ですか?」
「うん」
【素材】怨念の塊
死霊術に魅入られた男に向けられた数々の怨念が形となったもの。人一人程度なら呪い殺せる程度には強い呪いだが、死霊術師にとっては心地良いだけであった。呪いを吸い込むため扱いに注意しなければならない
〈鑑別〉0G
手に取って鑑定してみるが、正直使い方がわからない。装備に使うのはいやだし、かといって〈鑑別〉が0Gで売れない。というか手に取るだけでなんか背筋が寒くなってくるから、早く仕舞ってしまおう。
「これどう使うんだろうね。リーゼ、使い方思いついた?」
「いえ。正直扱いに困るので消費したいんですけど・・・」
だよね。本当にこれどうしようか。一応持っておくけどさ。使う機会があるかもしれないし。・・・これを使う機会なんて多分訪れないほうがいいだろうけど。
何事もなく冒険者ギルドに戻ってこれたので、受付のお姉さんに報告。慌てて、奥に走っていったあと、強そうな職員数名が調査に向かっていった。
「ご報告ありがとうございます。最近ダンジョンの発見が多いんですよね。この町以外でもいくつか見つかっているみたいで・・・資源は増えますけど亡くなる方もいらっしゃるので、あまりうれしくはないですね。私個人の考えですが」
「ほかにも見つかったんですか?」
「ええ。王都周辺なんか、3つもダンジョンが見つかったそうですよ。ここ2日くらいで。いったいどうなっているんですかね?」
へー、王都でもダンジョン見つかってるんだ。この調子で王都に行くまでに敵のレベルが上がっていくとレベル100くらい行ってそうだし、ダンジョンともなるともっと高くなるだろうけど、よく王都の人たちは平気で暮らしていけるよね。ゲーム的な都合?しー。
怨嗟の塊に書いてあった死霊術師とか新しく見つかったダンジョンとか、いろいろ気になることはあるけど今日はもう遅い。リーゼとはここでお別れ。と、その前に。
「リーゼ、イベント参加する?」
「はい。大学のほうは余裕を作って参加したいと思います。ルピナスも参加を?」
「うんうん。だから、イベント一緒に行動しない?」
「いいんですか?是非!」
よし、今日の私の任務達成。誘えてよかった。それじゃ、おやすみなさい。




