腐臭漂う森の墓場4
外から見るとこの墓地ダンジョンは結構小さく見えたんだけど、中に入るとそれは間違いだったと思い知らされる。というか、空間のゆがみが影響しているのかもしれない。明らかに外から見た墓地より大きくなっている。
ただトカゲの巣ダンジョンと違って、迷子になる心配がないのはありがたい。あと100mくらい歩けばつくであろう広場では、見るからに強そうなゾンビ?がこちらを待っている。おそらくこのダンジョンのボスだ。あいつを倒せばクリアだろう。
しかし、迷子の代わりに臭いがきついのはいただけない。すでに鼻は機能停止していて、VR空間であることをありがたがるばかりだ。鼻水出てこないからね。
すでにゾンビは私たちを認識しているだろうけど、攻撃を仕掛けてくることはない。多分広場に入らない限り攻撃してこないんだろうな。それなら好都合、先に鑑定させてもらおう。
リッチ レベル:40
スキル〈死霊術〉〈闇霧〉〈HP自動回復〉〈MP自動回復〉〈歪む手〉〈腐食〉〈オーラ〉〈呪い〉
〈知力強化〉:レベル:30〈精神力強化〉レベル:30〈状態異常耐性〉レベル:30〈空腹耐性〉レベル:30〈脱水耐性〉レベル:30
あ、こいつはヤバい。特に〈歪む手〉と〈腐食〉の二つからやばい匂いがする。〈死霊術〉は・・・多分ゾンビを作り出したりするんだろうけど、脅威度は頻度によるかな。10分に一体とかならあんまり怖くないと思う。
ただ私にとって幸いなことに、リッチは〈腐った体〉も〈骨の体〉も持っていない。これなら私も戦闘参加できる。おそらく私と同じ魔法型だろうし、むしろ私が相手をするのが筋ってもんだろう。ここまで全部リーゼに任せてきたんだ。このくらいは。
「リーゼ、あいつ〈腐った体〉も〈骨の体〉も持ってないから私も戦えるよ」
「そう、ですね・・・。いえ、ここも私に任せてくれませんか?」
えー・・・。ここまでリーゼに全部任せてきたのに、ここも任せたらキャリーされてるだけの人になっちゃうよ。
「お願いします。絶対に負けません。私はルピナスのお荷物にはならないと、証明して見せます」
それを言うなら私のほうがお荷物だと思うけど・・・任せてほしいって言っているんだし、任せよう。それと、あとでお荷物発言について詳しく聞きたいな。なんで私のお荷物って考えてるのかはわからないけど、それを言うなら私がお荷物でしょ。
今聞いてもいいけど、それで気を散らしてボス戦をうまく戦えなかったら困るから聞かないことにする。
「それじゃあ、お願い。勝ってね」
「もちろんです。ちゃんと作戦もありますからね。完封して見せますよ」
そうニヤッとわらうリーゼは、いつもよりかっこよく見えた。




