恋愛相談2
「ごめん。最初に聞きたいんだけど、好きな人ができたの?」
「あ、違います。実はですね・・・」
ふむ。リーゼの話を簡単にまとめると、友達が恋愛してて自分も進められたけど断った。そのあとよくよく考えてみたら、自分が男性を好きになって付き合って結婚してというのが想像できなくて、それでまずはすきがどんな感じなのか知りたくて相談したと。
「人気の恋愛小説や漫画を読んでみたりもしたんですがよくわからなくて」
うん、いや困ったぞ。私も人を好きになったことなんてないから、好きがどんな感情か知らない。まじめな相談だしちゃんと答えてあげたいんだけど、まともな回答持ってないしな・・・。とりあえず事実だけ伝えよう。
「ごめん。私も人を好きになったことなくて、そういう感情がどんななのかよく知らないや。力になれないかも」
「そう、ですか・・・ふふ」
「?」
「あ、ごめんなさい。ルピナスとおそろいだと思ったら、なんだかうれしくなっちゃって」
えぇ・・・。いや、リーゼがいいならいいけどさ。私はまともに相談に乗ってあげられなくて落ち込んでるのに、気楽だなぁ。まぁ19歳ってまだ若いし、リーゼならすぐいい人捕まえられるでしょ。
20歳の私が言うようなことじゃないけど。
「相談、乗ってくれてありがとうございました。この後はどうしますか?」
「トカゲの巣ダンジョンに行こうと思ってたけど・・・それよりしたいことができて」
「なんですか?」
「ここみたいな場所を探したいなって。ここ、とってもきれいだから。他にもあったら見つけてみたい」
始まりの町近くにこんなきれいな場所があるなんて知らなかった。考えてみれば、このゲームはオリジナルの魔法を創れるのが目玉だけど、それ以外にもいいところはある。そんな場所を探してみたいと思ったのだ。
「わかりました。それじゃあどこに行きましょうか?」
「トカゲの巣ダンジョンの反対方向はどう?今なら人が少ないと思う」
今はみんなトカゲの巣ダンジョンに行っていて、他の場所はほとんど人がいない。いても町くらいだ。ビッグ綿ウサギを周回しているときも、プレイヤーは見かけなかった。今なら楽に探せると思う。
「プライマルディアーがいる方ですね。ルピナスはプライマルディアーのことを知っていますか?」
「わかんない」
プライマルディアー、原始的な鹿かな?名前的に大きな角を持ってるんだろう。たしか昔の鹿は角が大きかった。結構強そうだ。平原のトカゲたちとはレベルが違うだろう。
「見た目は大きな角を持った鹿ですね。突進が主な攻撃手段です。私が前で受けるので、その間に魔法で攻撃をお願いします」
「了解」
綺麗な場所、見つかるといいな。花畑とかあったら、ここみたいに幻想的じゃない?




