恋愛相談1
ビッグ綿ウサギを38匹収穫したあたりでリーゼからチャットが返ってきていた。始まりの町にいるらしいので、ビッグ綿ウサギ収穫は引き上げとする。知力が150を超えたのでとりあえず満足した。せめて中級者ぐらいにはなっただろう。これでトカゲもワンパンになったはずだ。
リーゼとの待ち合わせ場所は噴水だ。最近始まりの町は人が少し増えてたんだけど、リーゼは背が高いからわかりやすくて助かる。あ、見つけた。
「リーゼ、久しぶり」
「ルピナス!連絡が一個も帰ってこないので何かしちゃったのかと・・・風邪だったんですね。もう大丈夫なんですか?」
「もう元気」
リーゼと会うのは三日ぶりくらい?リーゼはこの数日何してたんだろう。もうトカゲの巣ダンジョンクリアしちゃったかな?
「リーゼはこの数日何してたの?」
「私は・・・ちょっとリアルで事情があって、あんまりプレイできてないんです。だからダンジョンもまだで」
事情。何かはわからないけど、もしかしてチャットにあった相談とやらも絡んでるかな?聞いてもいいのかな、一応リアルのことだし。・・・本人が相談したいって言っているしいいか。間違ってたら謝ろう。
「チャットにあった相談ってそのリアルの事情のこと?」
「そう、ですね。ぱっと思いついたのがルピナスだったんです。ダメでしょうか?」
「大丈夫。私が力になれることならうれしい」
「ありがとうございます。あまり人に聞かれたくない話なので、少し外に出ませんか?」
そういったリーゼの後ろをついていく。相談とは何だろうか。リーゼは配信で19歳だといっていたし、進路のこととか?あとは友人関係の悩み?う~ん、ぱっと思いつくのはそれくらいだ。大学生らしいし、このどっちかだと思うんだけど。
リーゼが相談場所に選んだのは花が咲いていて綺麗な池の近くだった。始まりの町の近くにこんなきれいな場所があったなんて知らなかった。空を舞う綿ウサギのおかげで、より幻想的に感じる。
「それで、その相談のことなんですが・・・ルピナス、恋愛について教えてくれませんか?」
「・・・?」
ごめんよく聞こえなかった。なんて?
「恋愛相談がしたいんです。ダメでしょうか?」
「いや、いいけど・・・なんで私?」
いや本当になんで私だ?自慢じゃないけど私まともな恋愛なんてしたことないから何もアドバイスできないよ。高校出てからずっと家で仕事してたから出会いなんてなかったし。小中高は容姿が原因であんまり人が寄ってこなかったし。
「なんというか、思いついたのがルピナスだったんです。それで、その・・・人を好きになるって、どんな感じなんですか?」
あの、ごめんなさい。私も知らないです。




