怯えるトカゲたち
キャラ紹介にライネスを追加しました。
私の魔法によって地面から出てきた溶岩のような火属性魔法は、そのままこちらに向かってくるトカゲ種を半分以上蹂躙した。あるトカゲは一撃で沈み、あるトカゲは体に着いた火が消えずに苦しんで倒れた。またあるトカゲは、あまりの衝撃か隣にいたトカゲと抱き合っている。
そして魔法が終わった後、残っていたのはトカゲの残骸とかろうじて言える骨と灰だけであった。その灰も風に吹かれどこかに飛んで行ってしまい、骨だけが彼らがそこにいたことを証明している
あまりの攻撃力と被害に、トカゲ種たちは怯えて進むのをやめてしまった。すでにこちらを害するという意思はなさそうで、走るのをやめのっそのっそ歩いている。数匹がこちらに来て、そのまま腹を見せて降参した。その目には私に対する怯えが見えている。
そして私も今怯えている。味方からの非難の視線が多いためである。いやわかるよ。今のこのトカゲの姿見たら、私もやり過ぎたんじゃないかって思う。でも、敵だったじゃん。こいつら町に攻めてきたんだよ。仕方ないよね、うん。
「あーっと、嬢ちゃん、いやお嬢様・・・?これ、残ったトカゲたちはどうしましょうか・・・?」
なんでそんな敬語使うの。さっきまでお嬢ちゃんって呼んでたじゃん。そんな敬わなくてもいいよ。
「・・・私はもういい。みんなで倒すといい」
「え、いやこれを見るとそれは・・・」
「あの、ルピナス。流石にそれはちょっと・・・」
なんでそんな目で見るの。いや確かに今のトカゲたちは怯えてただ可愛いだけだけどさ、一応モンスターだから。流石に飼えないでしょ?
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≪一定の行動からスキル〈使役〉を入手しました≫
「ん?」
「あ?」
「「「え?」」」
は?〈使役〉ってみんなが探してたやつでは?
「いやぁお嬢様、これもお嬢様のお力あってのことです。ささ、どうぞどうぞ」
「・・・おじさん、遊んでるでしょ」
「・・・何のことやら。あと俺はおじさんじゃない。まだ30歳だ」
え、見た目的に40は超えていると思ってた。・・・これ伝えたら悲しむだろうな。やめておこう。ノリがよくて仲良くなれそうなのでフレンドにはなっておきたい。よし交換。やったぜ、おっさーんって名前なのね。おっさんじゃねえか!
で、〈使役〉よ。正直私、いま彼らをテイムしても養えないのだ。だからテイムはできないかな。反応的にみんなも取れたんだろうし、みんなで分けてもらおう。
「私はテイムしても養えないから遠慮する。みんなで分けて」
「そうかい?じゃ遠慮なく。・・・よし、おまえにしよう・・・ふんふんふん。なるほど」
「おじさん?」
〈使役〉を使ったおじさんが急に一人で話し始めた。ちょっと怖い。
「ん、ああ悪い。言葉がわかるようになったんでな。で、こいつらが言うには北西にある自分たちの巣に、なんつうか派閥の違うトカゲが出てきて追い出されたらしい」
「話に入らせてほしい。その巣というのは?」
「あんたなら察しがついてるだろ?多分これがダンジョンだ」
あ、聞いた瞬間ライネスさんの目が光った。こわ。




