本気の一撃
スキルの名前を〈殲滅〉から〈殲滅者〉に変更しております。ご了承ください。
「二人とも、ここにいたんですね!準備はどうですか?」
「大丈夫」
魔法は創った。MPもMAXだ。おまけに夜だから装備の〈月食〉も発動している。
【スキル】月食
夜、月の出ている時間帯に残りMP分ステータスが補整される。月がなければ、この効果は発動しない。
月の出ている間、私のステータスは大幅に上がる。今の状態だと大体全部プラス500程度。控えめに言ってチートだけど、夜限定なのでご愛嬌。
というか月食って月が見えなくなることをいうよね、簡単に言えば。なんで月が出てる間だけ強化なんだろう。ふつう逆じゃない?・・・ゲームの都合かな。うん。
「マジーニアさん。最初に一発、でかいのぶち込むね」
「・・・わかりました。ルピナスさんができるというんならできるんでしょう。周りの人たちには少し出ていくのを待ってもらいます」
「ありがとう」
「大丈夫ですよ。どうせトカゲ種の素材なんてほとんど使いませんから。レベルもこの程度じゃほとんど焼け石に水と変わりませんし。それじゃあ伝えてきますね」
その少し後、プレイヤーの方々は少し場所を開けてくれた。おかげで近くに来ているトカゲたちがよく見える。これなら問題なさそう。あ、一応お礼も言っておかないとね。
「みなさん、ありがとうございます」
「おう、どうせ得るもんなんかほとんどないからいいんだけどよ。多分相当いると思うんだが、本当に嬢ちゃん一人で壊滅させられるのか?」
まって、私そんなこと言ってない。一発でかいのぶち込むだけなんだけど。マジーニアさんどういう事。ちょっと待ってなんで目をそらすの。・・・まぁいいや。これもマジーニアさんからの信頼の表れであろう。ならば私は答えるのみ。刮目せよ!
「マジーニアさん、よく見ててね。『光よ、私から広がり周囲を照らせ』」
「あっ、目が!目がぁ!」
はい。いやだってね、刮目せよ!とか言っても、他の人は多分暗くて見えてないのよ。さっきの人も多分相当いるってあいまいな言い方してたし。なのでこれは優しさである。決して誇張して伝えられたことへの仕返しではない。決して。実際よく見えるでしょ?
「うお・・・」
「どんだけいるんだあれ」
「レベル的に負けはないだろうが・・・なかなか時間がかかりそうだ」
プレイヤーの方々もよく見えるようになったようなので、さっそくぶち込ませていただきましょう!というかなんでみんな光属性で照らさないんだろう。戦闘で使わないから?・・・ありそう。昼間に狩れば光属性とか関係ないしね。
「リーゼ、これさっきみたいに私に撃って」
「え、また飛ぶんですか?だめですよ」
「ちがうから。お願い」
「・・・『燃え盛る炎よ、矢を模り敵を貫け』へ?これ攻撃魔法じゃないですか!?」
「あうっ」
よし、精神力が低くてよかった。HPが2割まで減った。これならいけるはず。MPの準備は万端、さぁ撃つぞ!私もこんなに大きい攻撃魔法を撃つのは初めてだし、ちょっと興奮しているな!
「『母なる星が抱きし熱よ、炎よ。我が願いに応じ、彼らに母の怒りを伝えたまえ』!」
〈真髄〉〈殲滅者〉〈格上殺し〉〈捨て身〉〈怒気〉〈月食〉。今私が持っているバフを全部乗せた、正真正銘本気の一撃だ!




