月喰狼の白袴
なろう様の仕様が変わりまして、ランキングの通知が来るようになりました。これまでは気づいていなかったのですが、履歴によると何度もランクイン自体はしていたようです。皆様の応援のおかげです。ありがとうございます。
しかしこちらとしては心苦しいのですが、お返しできるものが何もありません。せいぜい更新頻度を上げるかまたまとめて投稿するかくらい。来週も1週間連続更新したほうがいいですかね?
「親方~」
「おぉ来たか嬢ちゃん!我ながらいいもんができたぜ!ほれ、こいつだ!」
親方の後ろから頼んでいた私の装備が取り出される。その装備は袴だった。全体を白で統一していて、はかなげで美しい。袖と左胸の部分には、私の名前と同じルピナスがハティの尻尾の毛で刺繍されている。刺繍の色は黒。おかげで刺繍のルピナスが強調されている。
「きれいですね・・・」
「うん・・・」
「いやぁ、本当はローブとかにしようと思ったんだけどよ。なんかビビっときちまってこんな風にしちまった。動きに支障はないはずだ。鑑定してみてくれ」
【装備】月喰狼の白袴 耐久・精神力+80
月喰狼の素材を用いて作られた白い袴。荘厳さとはかなさを両立しており、見たものに言葉にできない感動を与える。装着者に月の加護を与え、以下のスキルを使用可能にする。また、月の力により壊れても直る。
〈超回復〉〈月食〉〈観察〉〈幸運〉
この装備は、装備枠の身体・足・靴を使用する。
強い。けど、性能は後でいい。
ステータスの装備欄から装備を選択して身にまとう。不思議な肌触りだった。毛が内側に使われているのだろうか。普通ならわさわさして煩わしく感じるかもしれないけど、全然そんなことはない。寧ろ心地よかった。
「リーゼ、親方、どう?」
「いやぁよく似合ってるぜ。我ながらよく自画自賛したいくらいだ。リーゼ嬢もそう思うだろ?」
「・・・」
「リーゼ?」
どうしよう。リーゼがこっちを見て動かなくなってしまった。変だったかな?多分髪色も合わせて全身真っ白だろうし。だけど親方は似合ってるって言ってくれたけどな。
「あ・・・ごめんなさい。見惚れてしまって・・・。綺麗ですね」
「よかった。綺麗だよね」
なんだ、見惚れてただけか。気持ちもわかる。確かにこの装備はきれいだ。デザインの面で見ても美しい。おまけに強い。
「致命的にすれ違っている気がするが・・・まぁいいか。で、こっちが武器だな」
「ありがとう」
あ、白袴に感動して武器のこと忘れてた。せっかく倒したコンクスライムだし、白袴に比べたら性能は微妙だろうけど、大切に・・・あれ?
「親方。この杖、月喰狼の素材も使ってる?」
「そのことなんだが・・・最初はスライムだけで作ろうとしたんだ。けど、作っている途中で毛皮が俺も混ぜろ!って訴えてきてな。使うことにした」
なるほど。親方もプロだろうし、素材の声が聞こえても不思議じゃないか。たとえかもしれないけど、スキルがあるんだし本当に聞こえたんじゃないかって気がする。
【装備】不思議な杖 知力+40
コンク・スライムの素材と月喰狼の素材を用いて作られたよくわからない感触の杖。月の力を持っており、折れても直る。以下のスキルを使用可能にする。
〈月食〉
「問題ないよ。ありがとう」
「そいつはよかった。たまにメンテナンスに来てくれよ。直るっつっても限度があるだろうからな」
「うん」
それじゃ、この後はどうしようか。第2の町の先を見に行ってもいいかな?でもなんというか、この装備を見せびらかしたいんだよね。第2の町で散歩する?
あれ、フレンドメッセージがきた。リーゼじゃないし、マジーニアさん?もう魔法できたのかな。
・・・なるほど?
「リーゼ、行く?」
「行きます。ルピナスは?」
「もちろん行く」
見せびらかすチャンス、到来!




