クランハウスで説明会3
ということで、私の使える最大の魔法である『私は世界に宣言する。世界よ。私は魂を収穫し、蓄え、私が関連した魂すべてと共に在ることを誓う。全ての魂は私と共に在り、死して尚離れることはない。。私は彼らとともに歩み、彼らの存在を証明し続けよう!』を開示した。
最初はみんな夢中で読んで顔を上げていなかったんだけど、10分くらいしたら満足できたらしい。一人の男性が顔を上げた。50代くらいのおじさんである。
「・・・少しだけわかったことがある。多分、俺たちとルピナスさんでは明確に創り方が違うんだ」
「?」
あれ、そんな話したっけ。私は魔法を創るときに感情を乗せてデザインするようにしているよ~だから皆も感情をこめてデザインしたらいいんじゃないかな~って話じゃない?
「うん。俺たちはこれを文字と認識して並べ替えて、外国語の文を作るみたいな感じで作っているけど、ルピナスさんは違うんだな。これを文字じゃなく図形みたいに認識して並び変えて創っている」
「?」
え、ちゃんと私も文字として認識してるよ?対応する文字とか探さないとダメだから、図形として見ながら魔法を創るのは無理だよ。
「ですね。文字を図形としてみたら、この魔法はとても美しいデザインをしています。文字ではこうはいきません。読みを優先してしまうと、もっと歪です。」
〔あーなるほど〕
〔だから美しいとかそういう話が出てくるのか〕
〔デザインとしてみないと美しいとかでないもんな。実際に見ないとわからんな〕
う~ん・・・あ、でもそうか。文字としてみたらデザインするとか言わないか。
ということは、私が創るときは対応する文字を探す時だけ文字としてみて、いざ魔法を創るときは図形としてデザインしていた?・・・そうな気がする。じゃないと究極魔法を創った時に仕事みたいだったとか思わない。
ならばおじさんの言う通り、私と彼らでは明確に魔法が違うのだ。これは気になる。彼らの魔法がどんなデザインなのか見てみたい。
「マジーニアさん、そっちの魔法も見せてほしい。見てみたい」
「あっはい!こちらです!」
そうして見せてもらった魔法はなんというか、違い過ぎて違いが分からないレベルであった。何を言っているか私もわからない。
「??えと、ここがつながって・・・あれ切れた。じゃあこっち?・・・また切れた。」
「文字として読んで創っているので、デザインとしては見られないと思います・・・。代わりに読みはきれいですよ。『タイニーゼ・フォン・グレイツ』で炎の槍です」
確かに。読みは私のと比べてとてもきれいだ。ただデザインが私から見て最悪すぎる。
「とりあえず、魔法は見せ合ったしこの後はどうする?一緒に魔法を創ってもいい」
「それはありがたい申し出ですが・・・今の我々では邪魔にしかならないと思います。また次の機会にお願いします」
「わかった」
それなら、時間もちょうどいいし装備を取りに行こうかな。次の機会がいつかはわからないけど、その時までに私ももっと魔法を創っておこう。




