クランハウスで説明会1
「みなさんこんにちは、ルピナスです。今からさっきの予告通り、私の魔法構築のメソッドを公開させていただきます。」
「「「おおおおおおおお!!!!」」」
うるさ。マジーニアさんの時点でいやな予感はしてたけど、『魔法研究会』の人はみんなマジーニアさんと同じようなテンションをしてた。流石に自己紹介した瞬間に崇められるのは勘弁してほしい。
〔こんちわー〕
〔ずいぶん急だね〕
〔今日もあなたは美しい〕
ということで、どうせ広まるならとリーゼの配信枠を借りてプレイヤー全員に公開することにした。ちゃんと『魔法研究会』の人にも許可は取ったよ。聞き終わる前に食い気味に返されたから、私のいう事なら何でも聞きそうでちょっと怖い。
「ということで早速始めたいんだけど・・・残念なことに、私は感覚がほとんどだから何を教えられるかもみんながどこで躓いてるかもわからないんだよね。なので、初めに質問を受け付けるよ。」
他人に魔法の創り方を教えるために、私はどうやって魔法を創っているんだろう?とよく思い出して出てきた問題。私は感性で創っているから、教えられることが何もないっていう。
だから、教える前にみんなで情報や意識のすり合わせをさせてもらうことにした。私が普通にやっていることでもわからない人はいるだろうし、反対に皆ができて私ができないこともあるだろうということで。
「ということで、だれか質問がある人はいる?・・・それじゃ、そこの・・・尻尾を上げてる動物の方」
「はい!」
〔なんだこれ〕
〔あ、この人知ってるわ。川でおぼれてた牛のプレイヤー〕
〔草〕
初めに手を挙げたのは私と同じランダム人外で始めた牛みたいなモンスターの人だ。なぜ話せているのかはわからない。まぁモンスターだし、でみんな納得しているらしい。
「まず、どこが違うかのすり合わせからさせて頂きたい。そのために、我々の創った魔法とあなたの創った魔法を比較させてほしいのですが、どうでしょうか」
〔ぶっこんだな〕
〔見せるのはまずくない?〕
〔見てるやつにコピーされるぞ〕
それは・・・まぁ、別に構わない。けど、これはお互いに手札を開示することになる。私はモンスターと戦いたいからこのゲームをしているので構わないが、あちらは困らないのだろうか。PVP戦とかあるかもしれないし。
「私はいいけど、『魔法研究会』の人たちは納得できるの?手札を見せることになるから、PVPとかあったら困るかも。配信に乗っちゃうし」
「我々は魔法を創りたいんです。もっと多くの魔法を。威力の高い魔法を。人を喜ばせる様な魔法を。そのために創った魔法を多少見せるくらい構いませんよ。もし仮にPVPイベントがあったとしても、見せたことを逆手にとって勝ってやりますしね」
そう言い切る牛さんの目に曇りはない。他のクランメンバーもそれは変わらず、魔法に対する凄まじい想いを感じる。彼らの想いを甘く見ていたようだ。そして想いというのは、デザインをする上で大切なものだ。




