月喰狼の素材
「う~ん・・・こりゃ逆に毛皮のレベルが高すぎてスライムと合わせられねぇな。こんな毛皮初めて見たぜ。いったいどこでこんなの拾ってきたんだ」
おはようございます。9日目です。リーゼと合流してパーティーを作り直したうえで鍛冶屋に私の装備を作りに来たのだが、ハティ素材を見せた瞬間断れた。まぁそれもわかる。強すぎるもん。
【素材】月喰狼の尻尾の毛皮
許可なく触れたものを吹き飛ばすほどの圧を持った月を喰らう狼の尻尾の毛皮。強靭でしなやかさもあり、これ以上の革素材は存在しないだろう。しかし、逆に使用者が飲み込まれないよう注意しなければならない。
〈鑑別〉EX
【素材】月喰狼の尻尾の毛
天にも昇るような肌触りをしている月喰狼の尻尾の毛。手をうずめてみよ。さすれば、二度と手を引き戻すことはできないだろう。
〈鑑別〉EX
【素材】月喰狼の肉
食べようとした者を逆に喰い返しそうなほどの圧を放つ月を喰らう狼の肉。食べると力を得られるが、逆に力に飲まれないよう注意しなければならない。
〈鑑別〉EX
手に入れた尻尾を解体して得られた素材はこの三つ。どう見たって危険物だ。装備に使うのは毛皮と毛になるだろうが、確かにスライムと合うわけがない。
スライムのほうが食い殺される。もとになったレベル的に。
残った肉のほうは後で第2の町に行くときに、道でBBQすることにした。料理できる場所の心当たりが二人ともなかったためである。
リーゼが料理を多少できるそうなので、味付けは完全にリーゼ便り。頼んだ。
「こりゃあれだな。スライムは嬢ちゃんの武器にして、毛皮だけで防具を作ろう。代金は20万ってところでいい。本当はもっとするだろうが、毛皮が貴重すぎて使わせてもらうこっちが金を払いたいくらいだ。それでいいか?」
「私はそれでお願いします。代金はこれを。リーゼは?」
「私は・・・もうしばらくこのままの装備で居ます。今の私では胸を張って装備できませんから」
「わかった、それじゃ夜に来てくれ。その頃にはできてるはずだ」
暇になった夜までの時間は第2の町に行く時間にする。転移門は朝のうちに行って開放してきた。正直依頼を達成してなかったら20万足りなかったから、朝の私をほめたい。
すごいぞ私。よく魔法創りより依頼達成を優先してくれた。
南門から外に出たすぐの場所で、リーゼに肉を焼いてもらう。リーゼはこれも食べないらしい。私は食べてもいいと思うけど、本人が納得してないなら仕方ない。
「はい、できましたよ。多分問題はないと思います」
「ありがとう。いただきます」
【食材】月喰狼の焼肉
いい塩梅に調味料の振られた焼肉。食べると特定の種族特性を入手できる
〈鑑別〉EX
初見の言葉があるがとりあえず実食。すぐにわかるだろうし。む、うまい。たまに行く高級焼き肉店のものと同じ味がする。ただこっちのほうがちょっと脂が少ないかな?私は結構好きな気がする。
≪種族特性の〈暗視〉を取得しました≫
≪上位種の種族特性を理解したため、付随して精霊の種族特性が解放されます≫
む、ステータスチェック!




