邂逅
「いた、フォレストウルフの群れ。あいつらを100匹狩る」
「100匹もですか?」
「うん。コンク・スライムはスライムの群れを短時間で100匹倒したら出てきた。こっちでも群れがあるなら、同じことができるはず。手分けしてやろう。私はこっち」
「そんなことが・・・わかりました、それでは、私はあちらを狩ってきます」
リーゼと手分けしてフォレストウルフを狩る。一つの群れが大体5匹だから、都合10回倒せば終わりだ。
〈解体〉によるフォレストウルフ素材の採取は・・・半分だけでいいか。
多分そんなに使わないだろうから、ギルドの依頼達成の分と少し残るくらい。
「『暴風よ、我が敵を全て切り裂け』」
新しく創った風の魔法がフォレストウルフたちを切り裂く。
今回はパーティーでやるから、前の『風よ、目の前の集団を切り裂け』だとリーゼを巻き込むのではと思って別の魔法を創ってきた。
うん、ワンパン。このあたりの敵ならボス以外敵にならないね。さて、初〈解体〉。
【食材】フォレストウルフの肉
固く筋張っていて味がいいとは言えない。家畜のえさにするべきだろう
〈鑑別〉500G
【素材】フォレストウルフの牙
フォレストウルフが主に攻撃に使う牙のため、かなり鋭利になっている。うっかり手に刺さらないように注意しよう。
〈鑑別〉500G
解体することでこれが2つずつ取れた。全部で10個、依頼分はすでに足りている。これ以上は解体しなくてもいいな。
肉に至ってはひどい言われようだ。家畜のえさって。この世界の家畜ってどんなのなんだろう。おとなしいモンスターでも飼ってるのかな?
そのままフォレストウルフを狩り続けること50匹。リーゼが戻ってきた。あっちも終わったみたいだ。
「こっちは終わりました」
「こっちも終わったよ。多分そろそろ何かが・・・あれ、なんか暗くなってきた」
もともと夜で暗かったけど、何かそれに輪をかけて暗くなった気がする。気のせい?いや気のせいじゃない。何か、足音が・・・
「っ!ルピナス!」
「っ!」
私がさっきまでたっていたところを、大きなフォレストウルフのようなものが通って行った。
危なかった、リーゼに飛ばしてもらえなかったら死ななくても大ダメージだった。
「ありがとリーゼ」
「いえ、役目です。しかし面倒です。これでは姿が・・・ルピナス、照らせますか?私は光属性魔法を持っていないんです」
「大丈夫。ちょっと待ってね。」
多分備えて創ってきた魔法じゃ足りないから、〈真髄〉も使ってバフしてやる。それ狼、姿を現せ!
「『光よ、私から広がり周囲を照らせ』!」




