キャラ作り
ゲームスタートと同時に私が降り立った場所は、多分空の上。私は雲の上に立っていて、私の前には・・・なんというか、名状しがたいものが。あ、こっち気づいた。
「ん?む、失礼した。先ほどの姿は気にしないでくれ。私はキャラクタークリエイトを担当しているAI-624だ。初めに、あなたがこちらの世界で名乗る名前を教えてほしい」
「ルピナスでおねがいします」
ルピナス、それが私の名前。私がデザインしてるブランドにも使ってる花。決別を象徴する花で、とくに不健全な人間関係や状況から変わることを望む花。
「良い名だ、承知した。次に属性だ。ここで得られる属性は一人ひとり固有となる。基本六属性の火、水、土、風、光、闇はここで得るものではないから気にするな。ではこれを回せ」
そういったAIさんの横に出てきたのは・・・ガチャガチャかな?最近見ない、古い銭湯にしかないやつ。久しぶりに見た。
「そうだ言い忘れていた。これは3回まで回すことができる。ただ、次を回すことを選んだ時点でその時出た属性を選ぶことはできなくなり、排出もされない。よく考えよ。時間は十分にある」
「りょうかい。それじゃ、いきます」
機体の横についているレバーを回し、中をぐるぐるさせる。いいの来いいいの来い!戦闘で使えそうなやつ!『永遠』とか『消失』とか言葉が強いやつでもいい!あるか知らんけど。
あ、でた。白色のカプセル?属性は・・・『牛歩』?これカプセルの色レア度だろ。金色のカプセルからこれ出たら逆にすごい。
「ふむ、牛のように歩みが遅いという属性になるか?どうだ、これにする・・・あぁ、顔を見て分かった。では2回目を回すといい。・・・表情は変わらんのに、顔に出るというのも珍しいな」
なんか言ってるけど気にせず二回目。流石に牛歩はない。なんかださい。もっと派手に戦える属性がいい。きた二個目。また白色。属性は『虚無』。強そうだけど白から出たってことは多分弱い。次。
「三回目お願いします・・・」
「む、いいのか?まぁ、我々は拒まない。好きにするといい」
ほんとに頼む、なんか使えそうなの来てくれ。寿司はないだろ。流石にどう戦えばいいかわかんないよ。もう三回目、あとがない。頼む神様仏様。南無阿弥陀仏南無阿弥陀仏。
出たカプセルの色は・・・白。属性は『収穫』。終わった。私に農家になれと。私の体を見て言えるのか。こちとら2年前から合法ロリなんだぞ。見ろこの腕を。ぷにぷにしてるでしょ。筋肉あるように見える??ほらみてAIさん!
「なんだなんだ・・・む、属性は収穫か。こういうのも何だが、二回目で止めておけばよかったな」
「でも、カプセルの色白色だったから・・・」
「おかしなことを。カプセルの色は固定だぞ」
「え?」
え、じゃあ私は虚無が出たときに止めておけば爆勝ちだった?虚無って何もない見たいな意味だから、ブラックホールとか作って全部無にできたりしたんじゃない?あぁ、ちゃんと聞いておけばよかった・・・。おかげで農家に転職だよ私は。
「固有の属性に優劣はないからな。あたりの概念がない。使い方に違いはあれど、たどり着く先は必ず究極魔法だ」
「究極魔法?かっこいい」
「・・・しまった。口が滑ったな。次だ。スキルを決めろ」




