鍛冶屋とプレイヤー
「う~ん・・・確かにこれは売れるけど、ルピナスちゃんの場合は売らないほうがいいと思うわよ?」
「え、なんで?」
コンク・スライムの質量ある体液をお姉さんに見せたら、まさかの売り拒否された。私の場合ってどういう事だろう。私こんなの持ってても使わないよ?
「ルピナスちゃん、ここ二日くらいずっとスライムを狩ってたんでしょ?おまけにコンク・スライムなんて狩ってくるくらいだし、もうその装備じゃルピナスちゃんのステータスに見合ってないと思うわ」
「あ」
装備!そういえば忘れていた。確かに私の装備はプレイ初日から持ってた初心者装備だ。ステータスばっかり見て気にしてなかった。
「そういうわけだから、私が紹介する鍛冶屋で装備を作ってもらいなさい。場所はここよ。忘れないでね」
「うん、ありがと」
ほかに売るものはないので、すぐに紹介された鍛冶屋に向かう。あ、プレイヤーがいる。なんだか久しぶりに見た気がするな。ついでに言うとどっかで見たことある気がする。
「あ、こんにちは。ここの鍛冶屋に御用ですか?」
「こんにちは。装備が作りたくて来たんだけど、あなたも?」
「はい。初心者装備じゃステータスに追いついてないと思うって言われたので」
「そうなんだ。いま、親方さんが買い出しに行ってるみたい。もう少しで帰ってくるから、それまでお話しませんか?」
「うん」
このプレイヤーさんもこの鍛冶屋に装備を作りに来たのかな。見た感じかなり装備強そうだけど。鎧についてるこれ何かの龍鱗でしょ。雨乞龍のと似てるもん。
「私、リーゼって言います。あなたは?」
「私はルピナス。リーゼさんも装備を作りに来たの?」
「リーゼでいいですよ、ルピナスさん。私は装備のメンテナンスですね。この鍛冶屋、最前線のプレイヤーよりも腕がいいんです。第3の町なんですが、あそこは錬金術が盛んで鍛冶屋はあんまり腕がよくないんです」
「私もルピナスでいいよ。私、まだこの町から出たことないからわかんないや。大変じゃない?第3の町からこの町まで来るの」
考えてみれば私、この町から出てないんだよね。南門から出て数時間すれば第2の町があるらしいからステータス的に行けると思うけど、コンク・スライムを倒すのに集中して考えてなかった。
「ふふ、転移門があるので簡単ですよ。いかにもゲームらしくて最初はあんまり好きじゃなかったんですけど、便利さには勝てません」
「転移門って何?」
転移門って何ぞや。多分リーゼの発言的に町から町を移動できるんだろうけど。そんなの見たことない気がする。
「あれ?冒険者ギルドに入った時に説明されませんでしたか?」
「??冒険者ギルドって何??」
「え?」
冒険者ギルド is 何?聞いたことないんですけど??




