コンク・スライム戦2
皆様が読んでくださったおかげで評価ポイントが200を超え、初めて感想もいただくことができました。これからも応援していただけるよう頑張りたいと思います。どうぞよろしくお願いします。
「『風よ、矢を模り敵を貫け』『風よ、矢を模り敵を貫け』」
さらに2発を追加。その後撃たれた3発目の〈水砲〉を回避。最初は早く感じたけど、目が慣れたからかあんまり早く感じない。そのまま地面に目を走らせる。
「また出てきた」
さっきまでいなかったはずのスライムの死体がまた出てきた。スライムは水と違うから〈水砲〉で飛び散った水というわけでもない。スライムと水って、なんというか色が違うのだ。だからちゃんと見分けがつく。
で、このスライムの死体はどこから出てきたのか。これまで起きたことは私の魔法による攻撃と、コンク・スライムの〈水砲〉による反撃だけ。で、今の〈水砲〉で飛び散った水はスライムじゃない。ということは、私の魔法による攻撃がスライムを発生させてるのだ。
それに加えてさっき感じたコンク・スライムの縮み。推察するに、コンク・スライムはデカいスライムじゃなくスライムの集合体なんじゃない?
コンク・スライム レベル:20
スキル〈水分吸収〉〈群体〉〈統率〉〈水砲〉〈大食い〉
〈物理耐性〉レベル:20〈空腹耐性〉レベル:20〈HP最大値増強〉レベル:5
やっぱり。〈群体〉っていうスキルの正体はこれだ。スライムが集まってコンク・スライムを造ってる。なら勝ち筋も見えた。
とにかく数を撃って縮めて、核に魔法を届かせるのだ。ならどの属性でもいいか。とにかく数を撃つことを優先する。
「『炎よ、我が敵を燃やせ』『炎よ、我が敵を燃やせ』『炎よ、我が敵を燃やせ』『炎よ、我が敵を燃やせ』」
ほら、また少し縮んだ。反撃に放たれた4発目の〈水砲〉も、心なしか威力がよわくなってる気がする。これはありがたい。地面のぬかるみで踏ん張りがききづらくなりそうだったから。
ーーフーフー!ー
そのまま魔法を放ち続けること20分ほど。すでに当初の3分の1くらいまで縮んだが、今までとは違う鳴き声を上げた。
「なに?」
コンク・スライムは体を圧縮させ・・・そのままジャンプして私の真上に飛び込んできた。
「そんなのあり!?」
いや、意表は突かれたけど避けるのは簡単だ。横に避けるだけでいい。うぇっ!?
「こんな時に・・・!」
ぬかるみに脚を取られて転んだ。上を見る。避けるのはもう間に合わない。ならもう攻撃するしかない!幸い下からでも核はよく見える。貫いてやる!
「『燃え盛る炎よ、矢を模り敵を貫け』!!」
魔法が核に吸い込まれる。そのまま一瞬拮抗したのち、核は貫かれた。私の勝ちだ。
「『私が倒した魂を収穫せよ』・・・ぶべっ」
コンク・スライムの死体に溺れそうになった。締まらないなぁ。




