究極魔法を唱えるために
「で、できればどんな魔法か教えてくれないかしら?あんまり危ない魔法だと下手したら国が動きかねないわ」
え、究極魔法ってそんな危険なの。あ、でも発動に失敗したら爆発するし、詠唱の規模で範囲も跳ね上がるとかだったら場所によっては森が消えたりするのか。確かに危険だ。まぁお姉さんならどんな魔法か言ってもいいか。どうせ私オリジナルでほかに使える人はいないし、危険な魔法でもないから。あと自慢したい。
「お姉さんならいいよ。私が創った究極魔法は、私が倒した敵を収穫する魔法だよ」
「・・・?よくわからないけど、直接的に攻撃する魔法じゃないのね?」
「違うよ。なんていうか、パッシブスキルを覚えるみたいな感じの魔法。あ、パッシブスキルってわかる?」
「大丈夫よ。そう、それならまだよかったわ。ものによっては国すら亡ぼすものもあるから・・・そうよね。いくらあなたが天才でも、さすがにそこまでは作れないわよね・・・」
私天才なの?特に何かした覚えはないんだけど。文字はまだ覚えれてないし、うまく並べるのは普段の仕事通りやってるだけだし。まぁいっか。貶されてるわけじゃないし、むしろ褒められてるならうれしい。私、天才です。えっへん。
「ねぇ・・・えっと、ごめんなさい。名前を聞いてなかったわ。教えてもらってもいい?」
「あれ、言ってなかったっけ。ルピナスだよ」
「ありがとう。ルピナスさん「ちゃん」・・・ルピナスちゃん、よければその魔法を使う時、私もその場にいていいかしら?もちろん、あなたが究極魔法を使えることを流布するなんてことはしないから、そこは安心して」
おお、お姉さんが近くで見てくれてるのは心強い。このゲームで一番お世話になってるNPCだから信頼感が違う。
「私もお姉さんが近くで見てくれると心強い。そうだお姉さん。これが魔法なんだけど、MPどれくらい使うかな?」
「見せてくれるの?どれどれ・・・すごい、これが究極魔法・・・。えっと、これだと多分・・・13,000くらいかしら?私も究極魔法なんて見るのは初めてだからわからないけど、多分そのくらいだと思うわ」
「13,000!?」
やばい桁が違った。せいぜい5,000くらいかな~って根拠もなく思ってたら倍以上じゃん。中級ポーション何個必要なんだろう。300回復するから・・・訳40!?そもそもMP300ないと中級買う意味ないし、まずスライムを300体狩ってMPを300にすることから?ついでに薬草採取してれば、1週間くらいかけて何とかなるかな・・・。




