初めての魔法ができた
席を貸してもらえたのでお勉強タイムである。わからないところがあったら言ってくれれば教えてくれるって。めっちゃいい人だった。
ふむふむ、魔法は大気中に存在する魔力を用いて発動される。この魔力を扱うのにMPと呼ばれる体内の魔力が必要。魔法はより具体的であるほど効果が大きくなる。
魔法は魔法=詠唱で、魔法は詠唱することでMPを使って魔法を放てると。詠唱が魔法になってるのか。で、詠唱は長ければ長いほど威力が上がり、MP使用量も上がっていく。反対に短ければ短いほど威力は下がりMP使用量も減る。なるほろ。
例えば『炎よ、燃やせ!』より、『燃え盛る炎よ、我が前にいるものを燃やし尽くせ!』のほうが威力は圧倒的に上なんだって。具体性も必要っぽいな。
この時自分のMP以上の魔法を使おうとすると、詠唱途中で爆発するらしい。もちろん詠唱中の術者は即死。小さなクレーターができて周りにも被害が生まれるから、魔法使いは身の丈に合った魔法を使いましょうってのが鉄則なんだそう。
ただ抜け道もあって、詠唱中にポーションっていうものを飲んでMPを回復しながら魔法を使えば、自分のMP以上の魔法も使うことができるっぽい。これは私も覚えておかないとダメな気がするね。魔法型だし、私。
で、肝心の魔法に使う言語。まず数が多い。で、文字の形も変。動物を模してたり多分自然現象を模してたりで日本語と違いすぎて全く読めない。これ並べて詠唱するの?無理じゃない?
とりあえずやってみるか。え~っと、とりあえず『収穫せよ』でいいか。対応する文字がこれで、使うのはこれとこれで、よし。後は並べるだけ。
ん?あ、これそういう事か。やってみたらわかった。これめちゃくちゃ簡単だった。難しいのは対応する文字を抽出する作業だけ。並べるのは超簡単だった。だって並べたときに一番美しくなるように並べればいいだけ。これならデザイナーの仕事やってるのと変わらない。
できた。『収穫せよ』だって。試験管か何かをいじいじしてるお姉さんに報告しよ。
「お姉さんお姉さん、ちょっと来て」
「あら、わからないところがあったんのね?どこかしら」
「違うよ。できたから試したいの。森に行ってくるね」
「・・・へ?も、もう?」
「うん」
目をまんまるにしてるお姉さん可愛いね。というか思ったけどお姉さん何歳なんだろ。これで私より年下だったら・・・特に思いつかない。あ、思いついた。仲良くなって揉みしだいてやろう。
「いってきます」
「ちょ、ちょっと待って。不安だから私もついていくわ」
「?ありがとう」
そんなに不安にならなくても、爆発とか多分しないから大丈夫だよ。多分。これで金策が楽になるといいなぁ。




