表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
京都に修学旅行に行ったら、異世界に着いたので、こまって、とりあえず、クラス委員の矢頭くんを召喚してみました  作者: 菱沼あゆ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/38

矢頭くんの計画

 

 結局、危険な男が誰だかわからないまま、全員で今後のことについて話し合う。


「なんとか一人戻って、残りのメンツを召喚すればいいんじゃない?」

と黒パンを食べながら水門は言ったが、矢頭が顔をしかめ、反論する。


「リアルで使えるか、召喚

 第一、どうやって一人現実世界に帰るんだ?」


 水門は周囲の外国人客たちを見回す。


「……誰かにおんぶしてもらって外に出るとか?」


 水門の頭の中では、そこらにいた貴婦人風の上品な女性の背におんぶされていた。


「莫迦か。

 お前ひとり、草原に放り出されて終わりだろ。


 第一、どうやっておんぶしてもらうって言うんだ」


 猿渡が、

「怪我して歩けない。

 外に車がいるからとか言えばいいんじゃね?」

と言い、水門が、


「外に出そうになった人の背にいきなり飛び乗る」

と言った。


「……紅井、お前、確か頭よかったよな。

 なんで、このヤンキーの方がまともなこと言うんだ」


「矢頭くん、ヤンキー()めちゃ駄目だよ。

 塁とか賢いし」


 まあ、うちの学校来てる時点でな、という顔を矢頭はしていた。


 水門たちの学校は、矢頭がいることからもわかるように、かなりの進学校だ。


 そこで、矢頭が塁を見据(みす)えて言い出す。


「植木。

 最上階にお前がいたことで、俺の計画は狂った」


 ……なんだ、計画って、と水門は思う。


 一緒に行動してみてわかったけど。


 あなた理知的な顔のわりに、結構行き当たりばったりですよ?


 また、かけてもいない伊達メガネを押し上げようとする矢頭がなにを言い出すのかと水門は観察する。


 つくづく面白い人だ、と思うようになっていたからだ。


「俺は思ってたんだ。

 きっとこの悪魔の塔の最上階には――」


 いや、ここ、五つ星の最高級ホテルですよ……。


「ラスボスがいて、そいつを倒したら、元の世界に戻れるんだと」


 ラスボス倒すより、鳥居探した方がいいと思うんですよね~。


 ラスボスに出会って、このメンツと装備で勝てるとも思えませんし。


 異世界では塁の最強チート、ブラックカードも手裏剣のように投げて、目潰し食らわすくらいしか役に立ちそうにはない。


 そんなことを思いながら、水門はバウムクーヘントルテをつつく。


 バウムクーヘンを使ったケーキだ。


 たっぷりのバタークリームが美味しい。


 呑気な水門の横で、矢頭は、チラ、と塁を見て言った。


「ああ、お前が最強魔王だったらな」


 だったら、なんなのですか……。


「簡単に倒せそうなのに」


 簡単に倒せたら、たぶんそれ、最強魔王ではないですよ、と水門が思ったとき、食堂にドカドカ入り込んできた男がいた。


 着崩した制服。


 逆立った髪。


 無駄にジャラジャラつけているチェーンやアクセサリー。


 まごうことなきヤンキー様だ。


「ねえ、またお仲間が来たよ」


 水門は塁たちに向かい言ったが。


「ヤンキー、みな仲間じゃねえぞ」


「全国にヤンキーどれだけいると思ってるんだ」


「あんな顔の奴、見たことねえっ」

と塁たちは口々に言う。


 だが、顔色を変えたものが一人いた。


 矢頭だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ