とある少女の恋物語
―――誰が言ったのか分からないけど、今は人生百年時代らしい。
人間がそれだけ生きられる環境になったということだ。
生きるということは、色んなことをするし、色んなことが起こる。色んな経験をしていく。
おいしい物を食べたり。
面白いことを発見したり。
生きがいを見つけたり。
時には病気になったり。
そして、その中でたくさんの人と出会う。
家族がいて、友達も、先輩も、後輩も、歳を重ねるたびに、色んな関係の人と出会っていく。
その中で、私を知ってくれる人はどれくらいいるんだろう?
「ちょっと窓、開けていい?」
私は車の助手席に乗っている。
彼はいつものように、リラックスした様子で運転していて、
「どうぞ~」
スイッチを押して、窓を開ける。
肌に当たる風が少し冷たいけど、今は気持ちいい。
「いつも付き合ってもらって悪いねぇ」
「まあ、悪いことはないでしょ。私も楽しんでるし」
景色が流れていく。
入ってくる風の香りも、普段のものじゃなくて新鮮だ。
「気持ちいいね」
私はこの時・・・普段の雰囲気とか空気が少しずつ変わっていく、この様子が好きだったりする。
上手く言葉で言い表すのは難しいけど、いつも通りの毎日から離れていくのがいいんだと思う。
「今日はどんなところ?」
「今日は大自然感溢れるところにしてみました」
毎回違う場所を手配するのは面倒だろうに。
それでもやってのけるのはさすがと言ったところか。
まあ、それは本人の都合もあるから、すごいとか偉いとかとは違う話ではあるんだけど。
「今日はどんな飯になります?」
「今日はスパイスを効かせたお肉を仕込んできました」
「Fuuuuuuuuuuuuuuuuu!!」
落ち着いた雰囲気をしているのに、テンションを急に上げる。
こういうところも悪くない。
「今日もよろしくお願いしますね」
「こちらこそ」
もうすぐ、私は彼と一緒になる。




