第3章 オーネスト王国激震篇 13
「ゲホッゲホッ、ゲホッ」
「カイトぉ、大丈夫ぅ?」
「大人しく寝てなさいよ、直ぐに抜け出そうとするんだから」
監視生活の合間に、並列思考の訓練として戦闘訓練をしながら【黎明】の動きをチェックという鍛錬の途中、喉に違和感を感じた僕はその晩の内に熱を出し寝込む事になってしまった。
この最近、魔法を常時発動している上での通常生活という状態が並列思考を鍛える役に立っている自覚をしてから、ちょっと無茶なペースで戦闘訓練まで持って行ったから身体に無理が来てしまったのかなぁ?
でも、既に人外と表現しても過言ではないステータスを持つ僕が、この程度で寝込んでしまうなんて有り得ないとも思うんだけど?
「未だ【神格】を得られない人間の身体なら当然の事ですわね」
「クラウディア様のように【神格】をお持ちなら、病気にならないって事ですか?」
「…………ラナの言う通りなら、もしかして【神格】を得るって種族的にも変わってしまうって事ですか!?」
僕の思考を読んだ残念女神様の言葉にラナが疑問を口にし、その疑問を聞いたルナは更に踏み込んだ疑問を口にする。
まぁ、【神】って存在が本当に数十次元を跨ぐ存在だというのなら、その存在が人間やエルフなんて種族に縛られる存在の筈が無いと僕はなんとなく思ってたけど、現代日本での知識があった僕と違い、この世界で生まれ育ったルナ達には想像する事すら有り得なかった次元の話だもんな。
僕ですら空想SFの話レベルでしか知り得ない次元の話が、マイアール帝国以外の国では火薬すら存在しない程度の文明レベルしかない、この世界で育って来た彼女達に理解出来る筈が無い。
「簡単に説明するならば、種族という壁そのものが意味を為さない存在になるという事ですわね。貴方達がエルフであり続けたいと願えばエルフであり、それを超えた存在に進化したいと願うならばソレも可能という風に考えて貰っていれば問題無いですわ」
「…………ん~~?」
「それって……自身の存在が曖昧になるって事じゃ……?」
「…………」
残念女神様は、自身の返事に困惑を隠さないルナ達を微笑ましく眺めているが、熱で朦朧とした状態の僕の横でそんな難しい議論を始めるなよ!
『地球で言う【インフルエンザ】のウィルスを貴方限定で再現するのには苦労しましたのよ。最近、ステータスの上昇で天狗になってるみたいですから、ちょっとしたお灸ですわね(笑)』
はっ?
ハアッ!?
インフルエンザぁ!?
態々、僕に嫌がらせをする為に、この世界に無かった病気を生み出したってのか!?
『安心なさいな、貴方以外に感染する事はありませんのよ(笑)』
ふっ、ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっっ!?
『これは《対象に限定した効果》、《この世界に存在しない物質を精製する事の可否》、それが【神格】を持つ者なら可能という証明の一環というのが一つ。もう一つは【神格】を得る前に彼女達との絆を深めさせる為ですわね』
いっ、意味わかんねえよ!?
僕が放射性物質を精製する事、それを利用した特定の人間限定に対する復讐を考えてるから、それが可能だと証明しただあ?
それなら、態々こんな嫌がらせみたいな方法以外に幾らでも方法は有っただろうが!!
それに、ルナ達との絆を深めさせる為?
そんな心配される意味がわかんねえよ!!
僕は、カイトであると同時に魔帝国皇太子アルベルトでもあるんだ。
魔帝国の国民を見放す選択をする事は絶対に無いんだよ!!
『そうやって逃げている限り【神格】を得る事は出来ませんわ。件の魔神も歪み切った【愛】を切っ掛けに【神格】を得たのですから。本当は二人の気持ちに気付いているクセに、鈍感を演じて逃げているだけのヘタれでは到達出来ない領域なんですのよ?』
へ、ヘタれ!?
…………確かに、ルナ達の好意には気付いているけど、僕の中身は全部合わせると五十過ぎのオヤジなんだぞ?
おいそれと、年端の行かない少女を相手に恋愛出来る筈が無いだろ!!
『元皇太子と名乗っているクセに、本当にヘタれですわね。高貴な存在は常に血筋を遺す事が求められ、その目的の為には年齢など問題にならない事は歴史が幾らでも証明しているでしょうに』
いや、それは分かるよ?
でも、僕の人格形成は現代日本の生活が占める割合が一番大きいんだ。
そりゃあ、中には『うっひょ~(笑)』って喜ぶ人間もいた事は事実だけど、それは社会で抹殺される側の人間だったんだ。
そして、僕自身の好みも……二十代後半の眼鏡が似合う秘書タイプの女性だったんだよぉ……
どうしても倫理感っていうか、理性がねえ?
『二十代後半の眼鏡が似合う秘書タイプで……デブでお尻が大きい……どれだけマニアックな趣味を…………この変態は』
だから、無理矢理全てをくっつけるんじゃねえ!!
しつこいけど、僕は肉付きの良い女性が好みだっただけでデブ専じゃねえんだよ!!!!
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年末に家族の入院等、バタバタがありまして投稿が出来ていませんでした。
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