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第3章 オーネスト王国激震篇 12


 『愛』を語る胡散臭い女神様は放っておいて……


「話が横道に逸れたけど、奴等が【暁】に接触したって事は僕達がシシリアさんやバーナードさんと接触しない方が良い状況になったって事だよね~。あの人達は信頼出来るとしても、末端のクラン構成員の全てまでは信頼出来ないし」


「あのクランにも裏切り者がいるって事?」


「ラナ、裏切り者って自覚していなくても私達の事を気楽に喋ってしまう人間がいるかもって意味よ」


「自覚なく?」


「私達がカイトと出会う切っ掛けになった人間も全く敵意なんて無かったでしょ。敵意と結果は常に同意じゃないって意味よ」


 僕の呟きにラナが疑問を口にするが、ルナはそれに対し僕の意図を正確に説明してくれた。

 そう、自覚が『有る』か『無い』かは関係無い。

 悪意の無い言葉からでも、悪意を持った者よりも相手に悪い影響を与えるなんて事はザラに起こるものだ。

 人の口に戸は立たないって事は当然の事であり、その結果まで想定するなら接触を避けるのが一番確実な対応ってだけなんだよね。

 情報統制ってのは上の立場の者が権力で促すものではなく、情報そのものを操る事で成し得るものなんだから。


 つまり、是迄の関係については事実を消去する事は出来ないけど、奴等【黎明】がこの国に来てからは接触していないって現実を情報として提供する事に意味がある。

 僕達が奴等を警戒しているって事に対する確証は与えない、その上で僕達の足取りも手繰れない状況を作り上げる。

 そんな状況で奴等がどう動くか? 

 それを確かめる事が当面の目的だ。

 

「基本的に人間を信用していない者の考えですわね」


「僕は宗教家じゃないんでね(笑) 僕の根本は『法家』や『兵家』の考えが基になってるんだよ」


「『人主の患いは人を信ずるにあり』ですか?」


 この女神様は何で『韓非子』を知ってんだ!?


「人主の患いは……って何?」


「カイトの前世の世界の言葉?」


「その通りですわ。この者の前世では『性善説』と『性悪説』と云う考えがあり、この言葉は『性悪説』の代表的な書物にある言葉ですわね。とはいえ、人間とは簡単に二分出来る程単純なものではありませんし、単純に『性悪』という訳ではありませんが」


 ルナ達に対しクラウディア様が自身の言葉について簡単な説明を入れる。

 それよりも僕の記憶から読んでるのか?

 それとも、コレも神の権能ってヤツか?


『神が全知全能とまでは言いませんが、この程度の知識は持っていますわよ(笑)』


 違う世界の書物だぞ?

 この程度って話じゃないだろ!?

 ………………まぁ、この物体が計り知れないってのは今に始まった事じゃないし、気にしても仕方ないか(´Д`)ハァ…


 とにかく、人間ってのが『性善』か『性悪』かは問題じゃない。

 『韓非子』にあるように、どうしようもないドラ息子を校正させるのは両親の愛でも近隣の者の心配でもなく、無法な行いに対し厳正に対処するって云う官憲の『法』って事実が全てだろ。

 『愛情』に対し甘えてしまう人間でも、それを赦さない『法』に対しては真っ当に為らざるを得ないって考えだ。

 この場合は、他のクランの人間を『法』で縛る事が出来ない以上、信頼しないって選択をするって話なだけだしね。

 っていうか、『法』と『術』で支配するって考えの『術』を今回は選択してるって表現が正しいのか?


『この物体?(#^‿^)』


 えっ!?

 反応するとこソコ!?

 

 とにかく、消極的な対応だとは思うけど、なるだけ全面戦争を避けて少数を各個撃破していくって方針を採るなら、ここはコチラが一方的に情報収集するのが正解だろう。

 焦って【黎明】を始末するよりも、情報を収集出来るだけした上で対処を考えた方が効率的だしね(笑)

 もう、事はヴォルクのゲロカス一人を殺れば済むって簡単な話じゃなくなってるし、マイアール帝国っていうこの世界随一の大国の支配層の大半を始末する事になる可能性が高い。

 その目的の中でヴォルクって存在が非常に厄介で大きな障害になる事が確定してるってだけだ。

 こうなると効率を考えながら事を進めないと手詰まりになってしまう可能性も高くなるし、返り討ちにあう事すら有り得る。

 考えれば考えるの程に、メンドー臭い状況だよなぁ。


「アンタ、神様なんだろう? 時間って概念も無いてっんなら、アンタがマイアール帝国の初代皇帝の存在を消してくれれば僕達の運命も変わるんじゃないのか?」


「お馬鹿には何度説明しても話が通じませんわね(´Д`)ハァ… これだけ世界に影響を与えた人間の運命を変える事で生じる因果律への影響は世界を崩壊させますわよ」


「なら、ヴォルクにクソヤローが持つ理不尽な体質にも対処出来ないのかよ。本当に役に立たねえ神様だな」


「神に甘えるだけの矮小な変態が悪態をついても意味はありませんわよ? 自分でなんとか出来ないなら泣き寝入りしなさいな」


 相変わらず、挑発しても乗って来ないし自分でなんとかするしかないかぁ(´Д`)ハァ…










































『あの無礼者が言いたい放題なのに、何故あの御方は赦されてるのだ? 我があんな無礼を働けば……(・o・;)ブルブル』


『ドMが何を言ってるのでしょうかね(´Д`)ハァ… 貴方はそれを望んでるからそうしてあげているだけですわよ』


『だっ、だから、我はドMではありません!!』


『では、今後御褒美は無しですわね(笑)』


『えっ!?』


『あら? 喜ばしい事ではなくて?』


『えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!??』

いつもお読み頂きありがとうございますm(_ _)m


今年最後の投稿になりますが、来年も宜しくお願い致しますm(_ _)m

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