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第3章 オーネスト王国激震篇 10


「俺達は片田舎のB級ハンターだぞ? アンタ達みたいな高名なA級パーティーが丁寧に接する必要なんて無い筈だ。そこにこんな接触の仕方をされれば警戒もするさ」


「この街……いや、この国を代表する大手クラン【暁】を代表するパーティーのリーダーを相手に上から目線なんて馬鹿な真似は出来ませんよ。私達はたまたま翼竜(ワイバーン)討伐の機会に恵まれた結果A級に認定されましたが、貴方達が同じ状況に恵まれていれば立場は逆だったとしても決して可怪しくは無いと思っていますので」


 【黎明】の監視を続けて二週間、遂に奴等は【暁】のサブマスターであるバーナードさんに接触してきた。

 【暁】のクランマスターであるシシリアさんはこの国オーネスト王国の重鎮としての顔を持っている関係上、【黎明】がマイアール帝国の諜報員って事は把握して警戒しているだろうし、バーナードさんは警戒感を全く隠していないって感じかな? 

 

 ハンターパーティーとして格上の【黎明】からハンターギルド経由で合同依頼の提案、まあ普通に怪しいといえば怪しいんだけど、慣れない土地で地元のベテランハンターから学ぶって名目そのものはハンターギルドとしても断る案件とは云えないし、ハンターギルドからバーナードさん達に話が通った事までは通常運転って感じだ。

 奴等が【竜の咆哮(ドラゴンロア)】の失踪について調査しているのは間違い無いだろうし、直接僕達に接触するよりも周辺からの情報収集に徹している以上、バーナードさん達に接触してきたのはかなり核心に近付いて来たって判断してるのかな?

 それとも、単に僕達【幻想審判(ジャッジメント)】と合同依頼経験のある【緋色の剣】から僕達の戦力に関して情報収集するつもりなのか?


 どちらにせよ、奴等の情報収集って目的からすればかなり進展を見せてきたって判断しても良いだろう。


「合同依頼って事だが……明らかに過剰戦力だろう? 『オークの集落が存在するかもしれないから調査と可能なら殲滅』なんて依頼にA級パーティーが出るってだけでも過剰なところに、俺達のパーティーを加える必要なんて無い筈だ。何か別の目的があるって考えるのが普通ってもんだ」


「地理に不明な自分達だけでオークの集落を探すよりも、ベテランの地元ハンターの知識と経験が有った方が良いと判断しただけですよ。オークの集落が一つとは限りませんし、探索中に別の魔物の縄張りに踏み込む事も考えられますので」


「ベテランハンターって条件だけなら、態々B級を指名する必要は無いと思うがな。地理的な案内ならベテランのC級ハンターを一人雇えば済む話だ」


「自分達は慎重に重きを置いてますので。ハンターとしてのランクが上がろうと、不用意な油断は簡単に破滅を呼ぶって事は貴方のようにベテランの高ランクの方が良く解っているでしょう?」


 話を怪しんで渋るバーナードさんに対し、ハンターとして格上になるアーノルドって男は敬意を崩さず正論で説得を続けている。

 確かに、より高ランクのベテランの方が仕事を熟す上で油断をする確率は低いだろうし、それだけの実績を持っているって事が知識の有無についても証明されているってのは間違いじゃない。




「オークかぁ……」


「あいつ等、臭いのよねぇ」


「ハンターギルドの各部屋、【暁】のクランハウス、若手ハンター数人、盗聴器を仕掛けるにしても過剰ですわね。本当にストーカー気質で気持ち悪いですわ」


 【黎明】との接触を避ける為に、ルナ達が住んでいた場所に家を戻して過ごしているんだから、情報収集の手段は多めに用意していて当たり前だろ!!

 だいたい、アンタが神の能力で全てを知る事が出来るってのに、それを使わないって言うからやった事だろうが!!


『人間世界で過ごす以上、過度な干渉を避けるのは当然ですわよ? 甘えた思考の中身中年の為に創造主の能力を使うなんて有り得ないとは思いませんの?』


 中身中年!?

 確かに前世ではアラサーだったし、この世界で二十年以上過ごしてるから精神年齢的には中年かもしれないけど、人間の精神年齢ってかなり肉体年齢に引っ張られるもんなんだよ。

 

『いつまでも精神年齢子供な中年…………キショっ(笑)』


 なっ、このロリババアァァァァァァァァァァッ!!!!

 アンタこそ、いつまで若いつもりでいるんだ?

 この世界に創造主って事は、アンタの年齢は数千歳じゃ済まないだろうがぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!


『数十次元という超常な存在である神に時間なんて概念は当て嵌まりませんわよ? たかが三次元の常識でこの私を語って欲しくはありませんわね』


 だぁかぁらぁ、時間って概念が無いってのが理解出来る訳が無いだろうが!!


「カイトぉ、イチャイチャしてないで早く野菜を切ってよ」


「直ぐにクラウディア様とばっかり遊ぶんだから(怒)」


 ヤバい、またルナ達が不機嫌になってる!?

 そう、今は昼飯の準備中だったんだよね。

 こんな謎の寸胴に構ってないで、サッサと野菜炒めを作ろっと。




「まぁ良い、態々高名なハンターが俺達を指名してくれてんだ。俺達もアンタ達から学べる事は多いだろう。宜しく頼むぜ」


「コチラこそ、宜しくお願いしますよ」


 残念女神様に絡まれている間に、バーナードさんとアーノルドって奴の交渉は纏まったみたいだ。

 っていうか、肝心な部分を聞いてなかった?

 結果だけじゃなくて過程を知るって事は重要なんだけど、この残念女神様の茶々のせいで聞き逃してしまった!?

 まぁ、話の感じからすれば、特に僕達についての話は出なかっただろうけど…………多分。


いつもお読み頂きありがとうございますm(_ _)m

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