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第2章 エルディーニ聖国篇 20


「だから、僕があの残念な物体に対して恋愛なんて考えられる訳無いって言ってるだろ?」


「ふ~ん、ムキになる程怪しいんだけど?」


「胸じゃなくてお尻好きだって、クラウディア様が言ってたよ」


「それも誤解だからぁ!!」


 何で、僕は不貞腐れた顔のルナとラナを相手に『浮気を疑われた旦那』のような釈明をしてんだよ…………orz

 更に、あの残念陥没女神様が振り撒いた誤解も勘弁して!!

 何で、僕が変なフェチを持った残念ヤローみたいに言われて、冷たい視線を受けなきゃいけないんだよぉ。

 これでも()魔帝国の皇太子だよ!?

 更に言えば、自称【創造主】である女神様曰く【神】の眷属である【魔王】の最有力候補だぞ!?

 それを変態扱い!?

 フェチ持ちの変態魔王が出て来るラノベなんて、僕の前世でも見た事ないぞ。

 いや、十八禁とかは別としてだけど…………


「とにかく、クラウディア様とは何でも無いし、何よりも…………僕は変態じゃない!!」


『詐欺師が自分を安心な存在と言ってるようなものですわね』


 うるせぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!

 変な茶々入れてんじゃねえ!!!!


「じゃあ、クラウディア様のお尻には興味が無いって言い切れる?」


 ルナが疑うような視線を向けながら聞いて来るが、そもそも前提が間違ってるんだよぉ…………orz


「あんな残念女神様の胸だろうが尻だろうが、全く興味は無い!!」


『あら、奇遇ですわね(笑) 私も貴方のような【逃げ脚】だけの虫ケラに興味は全くございませんわ(笑) そもそも、私には大事な夫がいますのよ?』


 Σ(゜Д゜)ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっっ!?


 こんなに性格の悪い残念女神に夫!?

 ソイツはどんな趣味してんだよ?

 ……………………ロリコン?


『私の事なら多少は大目に見ますが、あの方を侮辱するなら存在自体を抹消させますわよ(# ゜Д゜)』


 すみませんでしたーm(_ _)m


 ドスの効いた念話に思わず心の中でジャンピング土下座を噛ましてしまったが、確かに会ったことの無い人の事を悪し様に言うのは違うよね。


『分かればよろしいですわ。まぁ、あの方は【人】ではなく幾多の世界を纏める【大御神】ですので更なる敬意が必要ですが』


 …………うん、人外の趣味は理解仕様が無いよね(笑)


 ってか、そもそもの原因はアンタが妙な事をルナ達に吹き込んだって事なんだけど?

 何で僕が元凶からも責められてんだよ!?


『自身の性癖(へんたい)を棚に上げて私の責任にするおつもり?』

 

 だぁかぁらあ、その前提が間違ってるんだよ!!




「また、二人だけの世界に入ってるよお姉ちゃん」


「どの口が『興味無い』なんて言ってるのよ!!」


 心の中で念話している僕を睨みながらルナがキレた。

 ラナも天然でルナを煽らないでぇ!!


「いや、隠さないといけない会話はしてな…………ん? 確かに二人に聞かせて良い内容じゃないけど…………でも、やましい話はしてないって事は分かってよぉぉぉぉぉっ!!」


「どうやったらそれで納得出来るのよ!!」


「私達に隠さないといけない話って、カイト…………やっぱり変態さんなの?」


 そもそも、子供に聞かせられる内容じゃ無いんだよ!!

 悪口と下ネタが殆どなんだから!!






 …………とにかく、小一時間の釈明の末、完全に納得したとは言い難いがルナ達は機嫌を直してくれた。


 『ウラン』がどういった物質か、その危険性から説明を始め、放射能と被爆について細々と説明していった結果、所々怪しくはあるが理解してくれたみたいだ。


「その放射性物質ってのを生成出来ないようにしているのがクラウディア様で、ソレを解除する条件について話をしてたって事よね?」


「うん、そう」


 内容がかなり横道に逸れてはいたが、大元の話はそれで間違ってない筈だ。


『上手く誤魔化しましたわね(笑)』


 誰のせいだ、誰の!?

 そうやって念話で茶々を入れて来るから話が拗れるんだよ!!


「【神格】が必要な話だから、私やお姉ちゃんには聞かせられなかったんだぁ。でも、カイト? 危険な事はしないでよ?」


「そうよ、私達にも秘密にしなきゃいけない程危ない話なんだから、絶対に危険が無いって状態になるまでは禁止よ」


 うん、残念女神様と違ってルナ達には癒やされるなぁ。

 内容的には同じ『危険性の排除』の筈なんだけど、二人からは僕を心底心配してくれる気持ちが伝わって来る。

 この二人を護る為にも、やっぱりマイアール帝国は滅ぼして……ヴォルク達のようなクズを殲滅しなきゃ。


『その対象にも家族がいるって事は理解してますの?』


 何をお花畑な慈善活動家みたいな事を言ってるんだ?

 コレは奴らから仕掛けて来た戦争だぞ?

 魔帝国の国民全てが死んでる訳じゃない現状、奴隷にされた彼等国民を救うのは僕の責務だ。

 戦勝国としての権利を主張するなら、その行動に対し責任を伴って貰うってだけの話でしかない。

 僕達魔族を奴隷扱いしながら、自分達人間種だけは庇護されて当然なんて勝手な理屈に従うつもりはない。


『本当の意味で覚悟が出来ているなら止めませんわ』


 本当の意味?

 それは、軍部限定とはいえ皆殺しを前提とした虐殺に対する『罪悪感』や『嫌悪感』の事を言ってるのか?

 それなら、僕が一人で背負う。

 ルナ達の手を汚させるつもりは無い。


 前世の日本は平和な国だったけど、世界では至る所で紛争が起こってたんだ。

 だから、僕にだって知識としては色々な話が入っているよ。

 精強な職業軍人ですら、戦後には心を病む確率がかなり高かったって事も話では知っている。

 大震災時には、救援活動に従事した自衛隊員が被災者ので遺体を涙を流しながら運んでいる映像が流された。

 腐乱を始めた遺体を探し、丁寧に安置所まで連れ帰る…………

 自分が殺した訳ではなく、善意と正義感で動いていた彼等でさえ、悲惨な遺体が溢れる現実に精神が追い詰められていた程だ。

 溢れる【死】に対し、健常な精神を持つ人間は耐えられないって現実を考えさせた時間だったな。

 そんな思いをしながら、被災者の為に歯を食いしばる人達を尊敬したもんだけど、今回の僕はそんな立派な存在ではない。

 因果応報な結末が僕を待っているって思うと同時に、奴等にも因果応報な思いをさせてやるって気持ちは消える事は無い。

 …………僕の精神が病んだ時、僕が暴走するならアンタが僕を消滅させてでも止めてくれるんだろ?

 その覚悟なら出来ているよ。


『やはり、平和ボケした世界の人間には理解出来ていませんわね』


 …………かなり含みのある言い方だけど、この世界に転生するまでは人間どころか動物すら殺した事が無かった僕の事は自覚してるよ。

 実際に血の海の中心に立った時にどのような心境になるかは試してみなきゃ分からないって事もね。


『一方的な虐殺を【試す】と表現出来る御自分がマトモな思考をしているとでも考えていますの?』

 

 じゃあ、魔帝国の国民は泣き寝入りしながら奴隷として死んで行けって言うのか?

 自身が人間種だったからって、魔族を下に見てんのか?


『私自身が生み出した眷属を下に見るなんて事は、例え天地がひっくり返っても有り得ませんわよ』


 なら、ぶっ壊れていようが、僕の思考はある意味マトモだって事も分かるだろ?

 国民達が辛い思いをしてるって知っている僕が、マイアール帝国をそのままにしておくなんて出来ないって事も。

 ある意味では僕も運命の奴隷みたいなもんだ。

 例え、因果律が歪められた結果だとしたって、僕を取り巻く環境が現実の全てでしかないんだから。


 なら、全てを敵に回してでも抗うしか選択肢は無いんだよ。


『全ては【神格】を手に入れる事が出来てからですわね』


 その条件に『人間性』は含まれてないよな?

 復讐を肯定している僕には手に入らないなんて制約は無いよな?


『残念な事に、世界の全てを抹消しようとした存在が【神格】を獲たという前列もありますの。全ては貴方次第ですわね』


 なら安心だよ。

 放射性物質みたいに制約を掛けられて無いなら、僕は魔帝国国民の為にも絶対に目的は達成してやるからさ。

 それが、ヴォルク達に無惨に殺された皇太子アルベルトに対する弔いにもなるってもんだ。

 アルベルトの仇は生まれ変わった僕、カイトが討つ。


 自分の仇を自分で討つって、変な事を言ってる自覚はあるが、実際に首を落とされた僕にしか分からない感覚だろうね。

 こんな経験は本来ある訳が無いんだから。


『私は何度も貴方の首を刎ねてますが?』


 …………人外は黙ってろ!!

いつもお読み頂きありがとうございますm(_ _)m

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