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第2章 エルディーニ聖国篇 15 


「変な色だけどオーガなんだよね?」


「弱〜い」


 ダンジョンの十階層、ボス部屋に居たレッドオーガとブルーオーガを瞬殺したルナとラナの発言に苦笑いが溢れる。

 ハイオーガの上位種に当たる変異種のオーガなんだけど、それを瞬殺した挙げ句に『弱い』発言だ。

 上階層とはいえ、世界最大級の未踏破ダンジョンのボスを相手にしての発言だよ?

 苦笑い以外の反応が出来ないのも仕方が無いよね…………




●ルーファリナ=カーディナス (ルナ)


●エルフ Lv 1342


●HP 9618

 MP 10019


 戦闘力 8642

 体力 7361

 素早さ 9923

 防御 7435


●剣術Lv98・弓術Lv91・魔法Lv96




●ラミリナ=カーディナス (ラナ)


●エルフ Lv 1306


●HP 9123

 MP 9651


 戦闘力 8189

 体力 7001

 素早さ 9419

 防御 7094


●剣術Lv96・弓術Lv91・魔法Lv94


 


 こんなステータスのエルフって、今までに存在したのか?


 少なくとも、魔帝国なら最強で間違い無い程の存在になってしまったルナ達姉妹が、変異種のオーガ程度を瞬殺出来るのは問題無いんだよ。

 だけど、素手って何!?

 剣術や弓術は何処に行った!?

 何で君達はそんなに『撲殺』に拘るんだよ!!

 アニメじゃ無いんだよ、何でパンチ一発でオーガの頭が『パーンッ』って爆散してるの?


「ハイオーガの時は、カイトが『危ないから』って後方支援しか認めてくれなかったし、今ならそんな事無いって証明したかったんだよ」


「私達、あの頃よりも強くなったよね? カイト?」


 グスタフ達に絡まれた時、ハイオーガの討伐数で優劣を決めようという名目だったので一応ハイオーガも討伐したんだけど、その時に僕が討伐した事を気にしていたって事かな?

 頼りにされてないって思ってたって事?


『(´Д`)ハァ…………過保護も過ぎれば信頼を失いますわよ?』


 ルナ達にも地獄の鍛錬を強いるクラウディア様に抗議した時、呆れ切った目を僕に向けながら言われた言葉が脳裏をよぎる。

 僕からすれば『保護すべき存在』って認識だったけど、それは思い上がりでしかないって事をそ滾々と説かれた時は正直納得いって無かったけど、今はなんとなく分かる気がする。

 『保護される』って事は『弱者』と同義に捉えられる事であり、対等な関係ではないんだから、それを是とする事が出来るかどうかは本人の気持ち次第だったって事だ。

 そして、ルナ達は僕と対等である事をも望んでいるんだから、『保護される』自分達に納得出来ていた筈がない。


 アルベルトとしての全てを失ったと思っていた僕が、ルナ達の存在にどれだけ救われていたか…………

 それを照臭さから言葉にしていなかったって事、更に独善的な保護欲を彼女達の気持ちよりも優先していた事を最近になって自覚する事になった。

 失ったと思っていた存在を守りたいってのは僕の願望であって、彼女達の願望ではないって事にすら気がついてなかった。


 何様なんだよ、僕は…………


 魔帝国皇太子アルベルト様はもういないんだよ!!

 

 そもそも、現代日本で育った僕が、そんな暴君的な独裁者みたいな発想でいた事自体が赤面ものだ。

 復讐にとらわれて、周りの気持ちに目がいって無かった事を自覚出来るくらいには冷静さを取り戻して来た今、黒歴史的な言動を思い出して恥ずかしくなる。

 

 いや、でも復讐は止めないよ?


 ヴォルク達には、地獄でも生温いってくらい後悔した上で死んで詫びて貰うんだから。

 それと、ルナ達が大事って事は別ってだけだ。







 このダンジョンは十階層毎に環境が変わる仕様になっているとクラウディア様が言っていたが、十一階層に足を踏み入れた僕達は啞然とした表情になっていた。

 ルナ達は環境の変化に対する驚きからだけど、僕は異世界物のテンプレに感動した為って違いはあるんだけど(笑)


 ここまで、洞窟タイプだったダンジョンだったけど、この階層では青空が拡がる草原と森が目に映る。

 

 これこそ異世界転生のテンプレだぁー!!


 一般的には二十八階層が最到達点とされているので、この環境はギルドの資料にも記されていたけど、実際に目の当たりにした感動は別格だよね~。

 一般的ってのは勿論、クラウディア様っていう人外の存在を省いた話って事だ。

 まぁ、クラウディア様は創造主なんだから別枠で考えないと話にならないんだけど(笑)


『この世界の者達の力を測る目的で階層毎に魔物の強度を変えていますので、今の貴方達には素材の回収以外に利点はありませんわ』


 って言ってたクラウディアの言葉通りなら、僕達が素材回収で【暁】に支払う口止め料を稼ぐのも楽勝だろう。

 最到達点近くで回収される魔物素材や魔石の売却額なら、翼竜(ワイバーン)程度の魔物以上に稼げるだろうし(笑)

 自分達の異常性を必要以上に周知されるのも不都合な事が多いので、秘密厳守を旨とするハンターギルド以外に取り引きを持ち掛ける気も無いし、ハンターギルドならSランク最強って言われるクラウディア様が影響力を持っているので安心だろう。

 つまり、短期間で最到達点近くに到達しても情報を揉み消して貰えるって事だ。

 通常なら、高名なパーティーが合同で最到達点更新を目指しているダンジョンに、新人のパーティーが単独で挑んでいるって認識になるんだから話題にならない訳がない。

 でも、マイアール帝国に僕達の情報を与えるつもりはないので、秘密厳守が絶対条件なんだよねぇ。

 普段はポンコツ?って思う事の多い女神様だけど、こういった状況では超有能だね(笑)


「カイト、ここも素通りするの?」


「ええ〜、探検しないのぉ?」


 エルフの本能か、この雄大な自然の光景にルナ達はテンションが上がっている。

 『森の賢者』、『森の番人』、『森の妖精』なんて呼ばれるエルフ種の本能を刺激する美しい森(外観)、実際には魔物の巣窟なんだろうけどね。

 そこを探索したいって二人の願望は優先してあげたい。


 …………別に『撲殺妖精』なんて考えていないぞ?

 ビビってないし!!


「時間的な余裕もあるし、最悪はボス部屋の転移陣から帰還すれば良いから、この階層からはのんびり進もうか」


 二人の希望に沿う提案を返す僕に、二人は満面の笑みを見せる。


「「やったー!!」」


 うん、ほら可愛いもんだ。




 創造主である女神様が人間の力量を測る目的で創られたダンジョンは、十階層毎に設置されたボス部屋に帰還用の転移魔法陣が設置されている。

 ダンジョン入口に設置されている転移魔法陣に転移する事が出来るこの魔法陣は、次回にはその階層まで転移させてくれる機能がある。

 この魔法陣はダンジョン限定の機能であり、ダンジョン外には転移魔法陣自体存在しない。

 ダンジョンの魔力を利用した機能であり、その魔法陣を生み出しているのもダンジョン自身で、人間にその魔法を再現する事は不可能と言われている。

 僕も、アルベルト時代から転移魔法については色々と試しているが、未だに実用化は出来ていない。

 まぁ、副産物として【異世界収納(アイテムボックス)】って魔法は出来たんだけど、転移そのものは未だに実現不可能だ。

 昔観た映画の『ハエ男』みたいに人間を分解して再構築なんて方法は怖くて試す気にもなれないしねぇ。

 いくら僕が人間種以外の存在だったとはいえ、ハエ男になるなんて流石に勘弁して欲しい(笑)

 ハエどころか、オークと同化して食欲と性欲の権化に自分がなるなんて、考えただけでもゾッとする。


『面白いですわね。私の戒めを破り『核兵器』で無差別殺人をした時には、その様にして差し上げますわ(笑)』


 …………おい、リアルタイムで人の思考を読んでんじゃねえよ!!


 その前に、アンタはその寸胴をボン・キュッ・ボンにする事を考えた方が良いんじゃねえのか!?


『この私の美しさを理解出来ないとは…………、芸術に理解の無い無粋な人間とは浅ましいものですわね』


 何処から突っ込めば良いんだ?


 とりあえず、美に関する価値観が違うって事は理解したよ。

 前世のヴィーナス像を見せてやりたい所だけど、そもそもの価値観が違うんだから意味無いし(笑)

 僕個人の好みで言えば、スレンダーな身体よりも、少しふくよかな身体つきの方が魅力的………ふくよかなお尻のラインが――


『デブ専!? それにお尻好きの変態!?』



 …………変態ってなんだよ!!

 それに、滑らかな身体のラインって意味であって、デブ専じゃない!!

 だいたい、僕の思考を読んでんなら、僕が想像した女体がデブじゃないって事くらい分かってるだろ!!!!

 女性の後ろ姿を想像しただけで変態扱いするなよ!!!!



 ポンコツは放っておいて、ルナ達と探索を楽しもうっと(笑)


いつもお読み頂きありがとうございますm(_ _)m

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