閉じるこころ、開くみらい
片思いのドキドキ感。知り合ってからの嘘っぱち。偽ってカッコつけていいことないのになんだか、自分をさらけだせない。わたしって、こんなに臆病だったかなぁ。恋愛は、いつまでたっても初心者マークつけて、慣れない運転をしてるんだ。
カンカンカンカン~。
自転車で、坂をくだりながら踏み切りが下がり始め、強くブレーキをかけた。
「あっ、また会えた!」
ロードバイクを普段使いしてるだけでのに、安っぽい私の
心は奪われて、しまった。ああ、けつを半分落としてつま先だけ地面につけて待つ私の寸胴な体格に同じ人間とは、思えず落胆する。毎朝、彼と会えるけれど名前も歳もなにもわからない。ただ朝のこの踏み切りで会えるということだけだった。いつもなにか音楽を聞いているようでハードなヘッドホンをつけている。そのせいか、声もかけずらい。こんな、くそ女子高生に声をかけられてもキモいだけだけどさぁ。はぁ~っ、何も出来ないし、胸が苦しい。
私には、大好きな先輩がいた。好きで好きで、とうとう告白をした。先輩は、同じ吹奏楽部のトランペットで、先輩はパートリーダーだ。いつも近くで、演奏をみつめていたせいか練習に、身が入らず先輩ばかり気になっていった。先輩を放課後呼び出した。恐らく、私の練習態度を見て、『辞めたい』と、言ってくるのだと思っていただろう。しかし、まさかの告白に先輩はさぞかし驚かれることだろう。
「どうした?最近、おかしいけどなにかあったのか?悩みなら聞くぞ」
「いやぁ~、あのぉ~、せ、せ、先輩。
私、先輩のことが好きです。良かったら、付き合ってくれませんか?」
「、、、、。ありがとう。でも、俺いま付き合ってるひといるんだよ。その人が、大好きなんだ。ごめんなさい。」
「あ、あはっ、あはははっ、ですよね。だって、だって、どう考えても私と先輩って、、、。ないですもんねぇ。」
「そんなこといわないでよ!俺は、豪という、運命の人に出会ったからなんだから」「ん?ん?豪とは?誰ですか?なんか男っぽい名前の方ですね」
「うん。だって、男だもん。」
「へぇ?はぁ~??それって、BLですかぁ?」
「うん。だけど、まだ誰にも言ってないことだから、夏帆ちゃんに初めて言った。あぁ~!言えて良かったぁ」
「私には、よくわからないんですけど先輩ってそっち系だったんですか?隠してたんですか?ってか、私馬鹿みたいじゃないですか?なんで?なんで?なんで???」
「僕も、豪と出会う前は普通に女の子と付き合ってきたし、女の子を好きになっていたよ。だけど、上手く言えないけど性別なんて、関係なくなるくらいに好きになって、しまったんだよ。」
「そうなんですかぁ~って、私馬鹿なんで全く納得できませんけど、わかっていることは私が先輩にふられたという事実だけです」
「ごめんしか、言えないなぁ。でもね。夏帆だから話せたんだよ。他の子だったら、嘘ついて、ふっていたなぁ。なんか、この関係を続けたいなぁ。これからも、仲良くしてよ。」
「先輩、蛇の生殺しですかぁ?わたしまだ、まだ吹っ切れてないのに傷口にしおとオリーブオイル塗って美味しくしようとさしてますかぁ?」
「いやいや、単純に夏帆と友達として付き合っていきたいと思ってさっ。でも、ひとつお願いが、あるんだけど、、、」
「なんですか?協力とか嫌ですよ」
「ええっ‼️だめ?簡単なことだよ。ただ、今後誰かに、僕と付き合っているの?って聞かれることがあったら否定も肯定もしないでほしいんだ。」
「そんなぁ。絶対ないですよ!そんなこと言う馬鹿いますかぁ?」
うちの学校は、揃いも揃って馬鹿ばっかりだった。私と先輩が、付き合っている噂は瞬く間に広がり、いつしか私は学校ナンバーIの先輩の心を盗んだと憧れの眼差しや妬みを言われるようになった。くだらんやつらだ。そんなやつらよりも、腹がたつのが、先輩だ!のうのうとしやがって、私の前だと、なんでも喋ればるからと彼氏とのラブラブ話を延々聞かされる。生き地獄だ。