役得
新型肺炎が世界中に蔓延してから5年も経つのに未だに撲滅への道は遠い。
その影響で世界の国々は大不況に陥り、絶望した大勢の人たちが自殺を選択し死んでいく。
駅でも電車の前に飛び込む人が跡を絶たず、駅員はその処理だけで疲労する。
だから直ぐに駅員に代わり自殺した人の肉片を拾い集め、血で汚れた電車やホームを洗う作業を行う人たちが現れた。
彼等に支払われる手間賃は微々たる物、それでも彼等は嫌み一つ言わずに作業を行う。
作業を終え帰宅する彼等は肉片や骨が入ったバケツを手にしている。
役得で貰える食料を得る為に彼等は今日も仕事に励むのであった。