名前が示す意味とは。考察
私たちが人生で一番最初にもらうプレゼント。
それが名前です。
誰の名前であれ、何かしらの意味が込められています。
それは、この作品でも例外ではないようです。
三葉という名前の由来は、日本神話で登場する神様の名前だったはずです。正直うろ覚えですが、確か監督本人が答えていたとおもいます。
じゃあ彼、【立花瀧】は?
この名前には何が込められているのでしょうか。
まず、立花。
立花は、別の言い方で橘ともいいます。
橘は、蜜柑系の常緑樹であり。
伊勢物語でも「皐月待つ 花たちばなの 香をかげば 昔の人の 袖の香ぞする」と読まれていたようです。
つまり橘は、強い香気を放ち過去に立ち返らせる花。
花言葉は『追憶』。
それだけではありません。橘は、他にも異なる異名を持っています。
『非時香果』
意味は、時を選ばず実る果実。あるいは、『時知らず』とも言うのだそうです。
古来の日本では、常世の国という異世界に生えるものとされていたのだとか。
口噛みトリップによって彼は、三葉の過去を追体験してますし。それだけでなく未来に住む彼が、過去であり同時に死の場所と化している糸守へと介入する。
まさしくタチバナは、彼の名前を冠するにふさわしいものではないでしょうか。
瀧、という漢字に関しては、アナザーストーリーを読んだことがあるのならある程度想像出来るかもしれません。
宮水家は彗星による災害を、人との繋がりを持ってして克服したことを祀り、後世へと伝えました。
宮水家の持つイメージは水(口噛み酒で強制入れ替わりをした時、瀧くんは水の中へダイブする。宮水、と水が付いているという意味でも)
さらに人々は、彗星を星の龍に見立てます。
瀧という漢字は、『氵』と『龍』が重なって完成します。
水は先程も書いたように、宮水家の持つイメージ。さらに宮水家の使命は、千年ごとにやってくる彗星から町を救うこと。彗星とは星の龍とも言い換えられる。
瀧という名前を与えられた少年が過去に干渉したことによって、糸守町の奇跡は発動しました。
これって本当に偶然ですか?
瀧くんが糸守に住む人々を、三葉を守るために翻弄したのは、全て運命によって決められていたのではないでしょうか。
瀧くんと三葉の出会いは決して偶然などではなく、必然そのもの。
まさに、二人は文字通り運命に定められ。出会うべくして、出会った相手だったのだと思います。