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天の箱庭  作者: ゆゆ
1/5

はじまりのお話

天の箱庭


種族、職業、キャラメイク全てが自由なVRMMORPG

その謳い文句で発売されたゲーム。そのはずだった。

オープンβなしにも関わらずPVの出来からキャラクター枠を購入する販売形式で事前に上限の10万枠を完売。

そして、今日からサービス開始となるはずだったのだ。



「ゲームで異世界とか創作だけの話でしょうに…」



元の世界では踏み入る機会のない、整備されていない森の中。

『種族レベル』『職業レベル』『取得スキル』のみを確認できるメニュー画面を覗きながら呟く。

いつ敵対生物が現れるかわからないので周囲への警戒も忘れない。

事の経緯と目的については自称神の使いの小動物さんからの説明があった。

全てを鵜呑みにするほど考えなしではないが否定する材料もない。


要約すると

・神様同士の争いにより元の世界の神様が敗北

・権能の一部と管理世界の魂の譲渡を要求され従う

・普通に転生させてもつまらないからちょっと趣向を凝らした転移にしてみた


とのことだ。

世界は神様の体内のようなもので内包する魂の総量で神威が高まるとか何とか。

ゲームを使った転移はこの世界に適応するよう体を創り直すのに個々の希望を叶えてあげようという配慮らしい。職業という形で育てば間違いなく1流の能力を取得できるだけの才能を付与された。

ネタプレイヤー乙。



「そろそろ考えはまとまりましたか?」



自称神の使いの小動物さんが話しかけてくる。

彼?らはプレイヤー1人につき1匹ついてくるらしい。

主な仕事は基礎知識の伝達とレベルアップの際に取得できるスキルの調整らしい。

あとはこの世界の神様の眼にもなっていて転移者が面白ことをしてくれるのを暇つぶしにテレビを見るような感じで付けた機能だそうな。プライバシーの権利を主張したいところである。



「とりあえずレベル上げかな」



開始直後なので当然のようにレベルは1となっている。

妖狐族:レベル1

符術士:レベル1

スキル:武器符(2)、魔力回復(1)、治癒符(1)、気配遮断(1)、気配察知(1)



キャラメイクで作成したこの世界の私は狐の獣人(姿は狐耳にモフモフ尻尾が付いた人間)

『色々な武器も魔法も使いたい』

『魔法で色んな武器を作ろう』

と、キャラメイクのときに管理AIである小動物さんと色々話してたら職業とスキルを考えてくれました。

その時はただ普通に優秀なAIだなーって思ってました。はい、神様お手製のサポートだったとは…


《武器符》は魔力を通した札で武器を形成、完成すると見た目も本物っぽくなる。

性能はスキルレベルと魔力に依存。魔法攻撃に分類されるので相手が魔法無効だった時は素直に逃げよう、うん。

形成時にそこそこ、維持にも微妙に魔力を消費する。それをカバーするための《魔力回復》スキル。魔力の自然回復にプラス補正が掛かるものだ。今のところ魔力が無いとまともに戦闘が出来ない構成で非常に拙いです。スキルレベルが低くても実感できる効果だと嬉しいなーと。

《治癒符》は名前の通りで、元々ソロでプレイするつもりだったので回復も自分でやるつもりで選択。

残りの2つは小動物さんのお勧めのソロプレイご用達セット。

や、別にボッチじゃないんですよ?ゲームの中でも煩わしい人間関係でストレスたまるのが嫌なだけで…

キャラメイク時に取得出来るスキルは5つとなっており、他のスキルはレベルアップで取得出来るポイントで選択。種族と職業で適正値が決められており、適性の無いスキルは大量のポイントが要求され成長も遅い。

私は魔力・敏捷に優れた種族であり、職業的には魔法系統のスキルに適性があるとの事。よくゲームで存在するマイナス補正はないので根気良く鍛えれば適性がなくても強くなれるらしい。

スキルの成長は熟練度に応じるとのこと。アクティブスキルは意識して鍛えないと成長しないため考え中に《武器符》のスキルで使い易そうな武器の形態変化を繰り返してら上がってました。《治癒符》もレベル上げたいけど痛覚のあるこの体で自傷してレベル上げは無理ですね、はい。



「経験値バー的な表示も欲しいかな」



「今見えてるその表示も本来なら見えないはずのものですよ」



「はいはい、わかってるって神様の善意には感謝してますよーと」



少し前にパラメーターは見れないの?と聞いたら溜息をつきながら



『あなたは元の世界で自分のパラメーターを見れましたか?』



と返されぐうの音も出なかった。

この世界には強さの指標がない。一般人のレベルを尋ねたところレベルという概念は転移者にしかないらしい。その手の創作で大活躍の鑑定スキルは対象の所持スキル等を覗き見できるが相手にバレた時点で殺されても文句は言えないそうなので取得は保留。魔力差が余程ないとバレずに鑑定は難しいうえに魔力の低い相手でも何となく鑑定されたことに気付く事もあるらしい。天然チートですね、ズルいです。

安全を確保するためにはやはり自衛できる能力が必要だ。

情報を集めてから安全にレベルを上げる、といった考えもあったが余所者を許容してくれる集落に運良く辿り着けるかも怪しい。そもそも異種族というだけで殺される場合もありますよと、小動物さんは話す。

最大10万人いるはずの転移者も脅威だ。

それだけの人数がいれば異端・異常と言われるような思想の持ち主がいてもおかしくない(これに関してはあまり人の事は言えないが)

種族・職業が自由に決められるため敵対した際に相手の能力が分からない。

初見殺し的なもので殺されるならばまだいいが取得したスキルによっては洗脳や隷属などの懸念もある。

そして現地の人間に転移者の情報が漏れるのも拙い。



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シミュレーションゲームなら集めて育てた軍隊で無双間違いなし。

この世界の情勢はまだ確認出来ていないが、敵対集団より一人でも多く集め戦力を確保する。といった転移者集めに発展するところまでは予想できる。好待遇を用意されたとしても何かに縛られるのはのーさんきゅーだ。

よって私が行うべきことは自活できる環境と自衛及び逃走能力の確保。

まずはキャラメイク時に設定した種族スキルを獲得できる種族レベル10を目標に。



「よし、レベル上げ頑張りますかー」



「あなたが死ぬと私も死んでしまいますので精々頑張って下さい」



余りやる気のない声で話す小動物さんの追加情報を頭に入れつつ最初からずっと気になってたことを尋ねてみた。



「あなたはどうして狸なの?」



私は狐の獣人なんだけどなー

こんな設定の話が読みたいなーとまとめてたらそれなりに形になったので投稿してみるという暴挙に出た模様。続きが書けるといいなぁ

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