14冊目 きみの洗面所になりたい
どうも、吾輩です。
今回は視点の話です。
推しの恋人や友達になりたい、つまり自分自身が推しの傍にいたいのが夢女子である。
しかし腐女子はそうではない。推している攻めと受けが一緒にいるところが見たいのである。
攻めに自分を重ねて「受けちゃんを可愛がりたい!」人や、逆に受けに重ねて「攻めちゃんに可愛がられたい!」という人も一定数いるだろうが、やはり多数派は「攻めと受けがいる部屋の壁になりたい」派だと思われる。
彼らに気付かれずに、彼らがどんなやりとりをするのかただひたすら観察したいのである。
かくいう吾輩も「壁派」である。
覗ければ壁でなくてもいいわけで、あるときは「推しの家の洗面所になりたい」とほざいていたことがある。当時の推しは髭キャラだった。洗面所になれば推しが髭を整える姿を毎日見られるのである。最高じゃないか。
これを悪友へびやまくんに言ったところ、
「妻になれば、自分が髭を整えてやることもできるんだぞ……」
と苦しげに返されたが、違う、そうじゃない。
自分という「人間」がそこに存在してはいけないのだ。ましてや妻だなんてとんでもない。妻なんて娶ったら推しCPが成り立たなくなるかもしれないではないか! 不倫ネタは人を選ぶ! 吾輩はいいから存分にあのコとイチャイチャしてくれ!
だから吾輩は洗面所になりたい。
できれば逢引現場も兼業したい。