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夕方の一時

 いつもと変わらない音を鳴らしてドアのベルが来客を告げる。

そこにはいかにも真面目そうで清楚な格好をしたリンが立っていた。

マキはその姿に驚きの声をあげる。

「あれ、リン?どうしたのその格好!」

「進学先決まったから少しは真面目にしなきゃね。」

リンのあまりに締まった受け答えにマキは違和感を覚える。

「ネコキャラやめたの?」

「うっ……うん、ちょっと恥ずかしいかな。」

リンは小恥ずかしそうに髪をクルクルを弄る。

マキはあまりのリンの変貌に寂しさを覚えうつむくと、リンを後ろから抱きしめる。

リンは急に抱きしめられリアクションが取れない。

そしてマキはゆっくり話すと、ガッ!!と頭を掴んだ。

「そんなの柄じゃないぞぉ!!」

「ニヤアアアアアアアアアアァァァァァァ!!」

やはり人間そうは変われないものである。



 頭を撫でくりまわされクタクタになったリンがカウンターに突っ伏す。

「酷い目にあったにゃ。」

「それでよろしい。」

マキは満足そうな表情を浮かべる。

そんなやりとりをしている所へヤンとエミが来る。

「あ、リンちゃん久しぶりだね!」

エミはリンを見つめ静かに威嚇する。

リンは二人を見て

「早速浮気してるじゃないですか!」

とイタズラっぽい笑顔でからかう。ヤンは手をブンブン振って否定する。

マキは何故リンが付き合っている事を知っているのか分からずに目を丸くする。

「ちょっと待ってなんでそんなこと知ってるの?」

「ん?アニさんが言ってましたよ。」

マキの頭に笑顔で周りに言いふらすアニの顔が浮かぶ。

「あの”野郎”ぶっ飛ばす。」

額に手を当てマキがアニに告げた事を激しく後悔する。

エミはマキをまあまあとなだめる。

「どっちかというと今のマキさんの方が野郎みたいです……。」




 しばらくするといつ聞いても耳から離れないエンジン音が聞こえてきた。

髭男の買ってきたスーパーカーである。

オシャレなシザードアを開け降りてきたのはむさ苦しい男では無く大人びた女性だった。

そんな様子を見ていたエミは不思議に思う。

「あれ、なんでカエデさんが乗ってるの?店長は?」

すると汗だくになって自転車を漕いで来る髭男が見える。

「酷いだろ!置いていくなんて!」

「だってあなたが何時までも起きないから……。」

「第一に免許持ってないだろ!無免許なんて前代未聞だぞ!」

「いいじゃない別に……。」

良くないのである。



 髭男はカフェに集まったメンツを見て頭にハテナを浮かべた。

「みんな何してんの?なにかの集まり?」

「いや、みんな今日シフト入ってますよ?」

ヤンがまさか……という顔をして髭男を見る。

髭男は脳を再起動した後に乾いた笑いを浮かべみんなに告げる。

「あれ?間違えっちたハハハ。ごめんなさい!今日はヤンと僕達です!」

マキとエミがオイ!と髭男に怒りを見せる。

「まあまあ、コーヒーおごるから許して……。」



 「そういえば今日でマキが来て1年ぐらいだっけ。」

出されたコーヒーを飲みながらヤンが話を振る。

「思えば色々ありましたよねえ。地下室に閉じ込められたり店長が事故ったり。」

ヤンは1年ほどの出来事を懐かしく思い出す。

「私はまだ入ったばかりなので知らないこと多いですけどね。」

一人蚊帳の外になりそうなエミが涙目で嫉妬する。

「あ……ごめん。」

「別にいいんです!こっそり量が減ったポテチ見たいなもんですから!」

「ちょっと良く分かんない。」

リンはそんなやりとりを楽しそうに見ていた。

「私も、バイト先はここにしようかな。」

「それがいいよ。あんたなら歓迎だよ。」

マキはリンに是非きて欲しいと伝える。

「おいおい、ヤンなんでお前までコーヒー飲んでんだ。」

髭男がヤンの駄弁ってるのを見て注意しに来る。

「あっ、へっへっへすいません。」

そうしているとまたドアのベルが鳴った。

「ほら、お客さんだぞ!」

「分かりましたー。いらっしゃいませ!」

マキはいつもと変わらないカフェで湯気の立つコーヒーを一口飲む。

香りが広がり落ち着いた空間。

「やっぱコーヒーは最強ですね!」

いままで継続的に読んでいただいた方いらっしゃいましたら私は声を大きくして「ありがとう御座いました!」と言いたいです。元は文章で人を笑わせるシュールな小説を目指したのですが結局は少しラブコメも混ざる形になってしまいました(笑)

今回でコーヒー最強説は幕を閉じますが、また続きを書くかもしれません。所詮素人の書いた小説ですがそれでも見ていただければこれ以上に幸せなことはありませんでした。読者の皆様いままでありがとうございました。

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