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フードミーティング!

 カフェの従業員一行はシャレオツな中華料理店で円になって座っていた。

「ええ、では従業員ミーティングを始めます。」

髭男がバインダーを手に一行に声をかける。

マキとヤンは真面目にそれを聞き、カエデはスマホを弄り、エミは小籠包をせわしなく冷まして口に放る。

そんな様子を意図もせず髭男は内容をつらつらと読み上げた。

ある程度言い終えると咳払いをして座っている者へ注目を向けた。

「まずエミちゃん、よく働いてくれてるけど・・・」

エミは視線だけ髭男に向け手は料理へ伸びている。

「まず倉庫のクッキーつまみ食いするのをやめましょう。」

そう言った瞬間エミは驚きのあまり料理を突っかえらせ大きく咽る。

口に入っていたエビチリのかけらがヤンの顔に引っ付き周りのムードが最悪レベルに落ち込む。

「食べてません・・・」

ムスッとしながら口を拭くエミ、髭男はにっこりしながらバインダーに挟んである写真を渡した。

写真には幸せそうにクッキーを頬張るエミの姿。

「これは・・・これは・・・」

半泣きになりながらエミは言い訳を探すが見つからず、ションとする。

痛いところを突かれてもなおエミの食欲は止まらなかった。


 エミ以外の問題児はいなかったので残りはスムーズに進んだ。

「さて、じゃあミーティングも終わったので楽しく食事にしよう!」

髭男はバインダーを後ろへ放り投げ箸を手にする。

「そうですね!楽しみましょうニャ!」

張り切ったノリで帰ってきた返事にヤンは苦笑いを浮かべる。

「マキさん、ニャって・・・」

と言いかけたところで隣にリンがいることに気づいた。

「って、なんでここにリンちゃんが!?」

カエデはその様子をみて笑いながら

「まあまあいいじゃない。」

となだめる。

リンは目の前に広がる料理をエミ顔負けの勢いで食べ始める。

髭男がターンテーブルから餃子をとって食べようとするが

「いただきます!!」

とエミに奪われる。

「いや、テーブルから取れよ!」

泣き言混じりで気を取り直し近くの小籠包を取る。

「いただきにゃ!!」

そしてそれはリンに取られた。

「てめえぇえらああああああぁぁぁぁ!!!」

もはやミーティングでは無くフードファイトと化した中華料理店

髭男は財布の心配がどんどんと募っていった。



 皿に残った最後の餃子、リンとエミの間に火花が散る。

「もらったぁぁぁぁああああ!」

「もらったにゃぁぁぁぁああああ!」

と二人がぶつかり合う寸前、髭男がその餃子をひょいと掴み口へ入れる。

「二人は引き分けって事で。」

二人はヘナヘナと腰を降ろし机に突っ伏した。

「最後の一個にゃのに・・・」

「餃子じゃなくて上座だったらどーすんのよ・・・」

「いや、何言ってるか分かんないです。」

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