season17-4 帰路
レトは無事に拓也とイヴを回収し、一つの船で地球へと向かっていた。イヴとレトは途中の月で降りるようだが。
「イヴはまだ眠ったままなのか」
「ええ、相当疲れてたんでしょうね」
拓也は船の食堂でコーヒーを飲みながら美奈と話をしている。
「ねぇたっくん。あの時、いったいなにがあったの? あなた達の船はレーダーに映ってなかったのに突然現れたのよ。なにがどうなってるのやら」
「……宇宙の果てに行ってたんだ」
「え?」
拓也は美奈に宇宙の果てであった出来事を全て話した。そして、これからなすべき事も。
「そう、そんなことが。……争いか」
「俺達が今回レプタリアンにとった行動も、それとまったく同じだ。正直いって俺達がやったことは間違っていた」
「そうね。確かに間違っていたのかも知れない。でも、いつでも正しいことが出来るとは限らないのよ。だからこそ人は苦悩して、悩み、本当に正しい出来事を見つけていく。私達はまだまだ未熟」
「うん。俺達にはまだまだ出来ることがたくさんあるんだ。それはどんな小さなことでも確実に。それはやがて世界を変えるようなことになる」
「私達で変えていきましょ。だって、私達には、こんなにたくさんの仲間がいるじゃない」
美奈と拓也は見渡す。そこには、地球から通信してきた多くの仲間達の姿が映し出されている。
いままで多くの人と関わってきた。いろんな人の助けと協力があった。
戦いもあった。
悲しみもあった。
嘘もあった。
真実もあった。
笑いもあった。
そして、そこには確かに命があった。
これらのことは永遠に記憶に刻まれ、永遠の想いへと繋がるそれはやがて未来へと繋がり、そして、全てが変わるときがやってくる。争いのない真の姿へと。