season14-4 火星
レトの指差した方向を向くとそこには地球で見た地球型UFOが存在していた。これほど大きな物をどうやって運んだのだろうか?拓也達は疑問も抱いた。しかし拓也達は質問をしなかったためレトはそんな説明はせずに話を進めていった。
「この航空機は我々の大型宇宙船に積んで火星の上空でこれに乗り換え火星へと乗り込む。火星へと乗り込んだら奴らに見つからないようにクレパスの間を通り、火星での我々の本拠地へと向かう。」
説明を終えるとレトは拓也達は大型の宇宙船へと乗り込むように促した。見ると地球型UFOも大型の宇宙船へと搬送されている。宇宙船内部に入った拓也達は不思議な光景に目を奪われた。そこは白い空間だった。とても広い。果てなんてないかのような奇妙な広さを持つその宇宙船に拓也達は圧倒された。
レトはその広い空間に置いてある操作盤の操作をしている。
「おい、椅子に座ったりしなくていいのか?」
レンは危険ではないかと心配になり疑問をぶつけた。
「大丈夫です。心配要りません。まもなく発射しますよ」
そう言うとレトはボタンを押した。すると宇宙船の前の扉が開き宇宙が見えた。宇宙船はまるでその宇宙へと吸い寄せられるように一気に加速し、月から出て宇宙へと飛び出した。そして水平飛行へと切り替わると更なるスピードで火星のほうへと飛んでいった。
宇宙船の内部では外の景色が見える。もの凄いスピードで飛んでいるのは分かるが内部はなんの重力も圧力も感じない。
「凄い、これだけスピードが出ているのになんの影響もないや」
「この宇宙船の内部はいわゆる真空管のようなものです。空気が抵抗することなく進むので圧力がまったくかからないのです」
レトは拓也の言葉にすぐに返事をした。
「どれくらいで火星に着くんだ?」
「数時間後です。ですから今から準備を始めていかなければなりません。いよいよ戦いの時です。アダム……。あなたは分かっていますよね?」
そういわれると拓也はレトのほうを見て言った。
「ああ、分かってる。大丈夫だ」
その言葉に美奈とレンは疑問を抱いた。