season14-2 レト
そこには三人の人型の生物が立っていた。光に照らされているために逆光で見えにくいが確かに人の形をしている。やがて光が少し薄れその生物の全容が見えてきた。立っているのはあのDVDで見た人間に極めて似ている指が6本ある生物だった。
「ようこそ。アダムお待ちしておりました」
三人の中心に立っている生物が言葉を発した。拓也達が驚きに目を見開かせていると突如彼らの後ろに地面からせり上がって扉が現れた。
「お話は中でいたしましょう。さぁどうぞ」
三人の生物の手招きとベルリクトの押しにより拓也達は、その生物に続いて扉より中へと入っていく。中は金属物質で出来たものと一目で分かるくらい輝いていた。ただそれがなにで出来ているのか拓也には判別不可能だった。
「ご紹介が遅れました。私の名前はレト。我々はディーダという星より参りました。現在この月には23種類の異性人が移住しています。彼らの紹介はまた後ほどいたします」
レトと名乗った生物は歩きながら拓也達と話始めた。しかしよく見ると彼らは歩いていない。空中に浮いているわけでもないのだが足を動かさずに移動している。
そうこうしているうちに拓也達は一つの部屋へとたどり着いた。そこには一つの白い机といくつかの白い椅子が用意されていた。
「さぁ、お掛けください」
拓也達は彼らに言われるがままに椅子に腰かけた。
「いろいろとお聞きになりたいこともあるかと思います。ですがまずは我々のお話をお聞きください」
そういいながらレトと名乗った生物も椅子へと座った。
「まずは我々の目的についてです。もう何度も耳にしていることと思われますがレプタリアンを倒すことが我々の目的です。そのために何百年もの時を使い準備を整えてて来ました。彼らは我々の文明レベルの一歩上を行っているために簡単には手がだせない。そこで我々はアダムあなたを使うことにしました」
レトは壁に手をかざす。すると壁がスクリーンのようになりそこに映像が映し出された。
「使うという言い回しは大変失礼だと思いますがこれしか表現できないので、スクリーンをご覧ください。今説明しましょう。あなた達人類の起源とアダム、そしてこの宇宙について」
レトの説明は実に分かりやすいものだった。映像とレトの言葉で構成されたその内容は拓也達にとって非常に重要なものだった。
この宇宙が誕生して長い月日が流れた。この宇宙は何度も破壊と復活を繰り返してきた。まさに歴史は繰り返す。長い歴史の中で必ず、対峙するべき敵が現れる。どちらが正しいのかそんなことは分からない。しかし状況を見て自分のいる位置が正しいと判断して行動するしか方法はない。